再審制度見直しで袴田ひで子さんが訴え、維新・前原氏「現状変える努力する」
刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを巡り、静岡県一家強盗殺人事件で再審無罪が確定した袴田巌(はかまたいわお)さん(90)の姉ひで子さん(93)が8日、日本維新の会が国会内で開催した会合に出席し、検察官の不服申し立て禁止を強く訴えた。ひで子さんは「検察官の不服申し立てがあるから、再審開始までに長い時間がかかった。法律の不備はすべて直していただきたい」と切実な思いを語った。
「巌だけでなく、冤罪に苦しむ人を助けないと」
ひで子さんは、弟の袴田巌さんが47年7カ月もの間、無実の罪で拘置所に閉じ込められ、精神に異常をきたした経緯を振り返り、「法律を十分に改正してもらえなければ、何のためにつらい思いをしたのか」と強調した。さらに、「巌だけが助かればいいのではない。冤罪(えんざい)に苦しむ多くの人を助けなければいけない」と述べ、制度改正の必要性を訴えた。
政府が今国会に提出を目指す刑事訴訟法改正案は、法制審議会(法相の諮問機関)の答申に沿い、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てを維持する方針だ。しかし、自民党の事前審査では、不服申し立て禁止を求める意見が相次ぎ、法務省に修正を要求。同省は運用面に一定の制限をかける方向で検討を進めている。
日弁連「禁止は政治で決めるしかない」
会合に同席した日本弁護士連合会(日弁連)再審法改正推進室長の鴨志田祐美弁護士は、「制限しても不服申し立てをすることは見えている。運用に委ねても無理で、禁止を政治で決めるしかない」と指摘し、立法による明確な対応を呼びかけた。
維新顧問の前原誠司衆院議員は、「ひで子さんの大変重い言葉を受け止め、与党のメンバーとして現状を変える努力をする」と述べ、制度見直しへの決意を表明した。会合後、ひで子さんは記者団に対し、不服申し立て禁止を含む不備が是正されるなら「多少は待つ」と話し、拙速な法改正とならないようくぎを刺した。
この動きは、冤罪被害者救済に向けた再審制度の抜本的改革を求める声が高まっていることを示しており、今後の国会審議が注目される。



