『あの選挙』の民意をデータで解読 2024衆院選・2025参院選の深層分析
『あの選挙』の民意をデータで解読 2024-25選挙分析

『あの選挙』の民意をデータで解読 2024衆院選・2025参院選の深層分析

選挙は確かに民意を反映する重要な機会です。しかし、問題は民意のどの部分が、どのような形で反映されるのかという点にあります。本書『「あの選挙」はなんだったのか 2024衆院選・2025参院選を読み解く』(荻上チキ編著、青弓社)は、2024年の衆院選と2025年の参院選における民意の動きを、主に調査データの分析を通じて詳細に読み解いています。石破政権下で自民党が議席を大きく減らし、国民民主党や参政党が躍進した「あの選挙」の背景に迫る内容です。

民意の流れと政党支持の傾向

これらの選挙で自民党が失った票の多くは、立憲民主党と国民民主党、そして参政党に流れました。分析によれば、現状に不満を抱く有権者は立憲民主党を、将来に不安を持つ有権者は国民民主党を支持する傾向があったと指摘されています。政治に満足しない有権者が、既存の枠組みとは異なる未来に賭け、リスクを含みつつも新たな選択肢へ向かった様子が浮き彫りになります。

一方で、選挙結果に表れない民意も存在します。例えば、衆院選の小選挙区では、得票率の変化を上回る規模の議席変動が生じうる点が注目されます。また、投票を棄権した人に「もし投票するとすれば、どの政党に入れたか」と尋ねた調査も興味深く、棄権者が実際に投票していれば、自民党が票を伸ばしていた可能性があったという結果が示されています。

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自民党と立憲民主党の支持基盤

石破政権下の自民党に対する不満は高まっていた一方で、堅調な自民党支持も存在していました。対する立憲民主党への支持は、かつての民主党政権へのマイナスの評価や、「反対ばかり」という印象がなお影を落とし、伸び悩んでいたと本書は指摘します。この分析は、自民党が歴史的圧勝を収めた2026年衆院選とも確かに地続きであったことをうかがわせます。

データ分析は、客観的事実を丁寧に提示するものであり、政治の現状を理解する上で不可欠です。他方で、「政治はどうあるべきか」という問いは、コラムや哲学対話を通じて投げかけられ、読者に深い考察を促しています。

過去と未来の選挙をつなぐ視点

あの選挙も、この選挙も、そして未来の選挙もつながっています。2026年衆院選にはまた別の分析が求められるでしょう。しかし、過ぎ去った選挙を忘れてはなりません。その背後で動いていた民意を理解せずに、次へ進むことはできないのです。本書は、選挙データを基にした冷静な分析を通じて、政治の流れを読み解く貴重な一冊となっています。

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