高市首相がトランプ氏に伝えた憲法の制約「海外派兵」の壁とは
高市首相がトランプ氏に伝えた憲法の制約「海外派兵」の壁

連載:そもそも解説 視点・解説

高市首相がトランプ氏に伝えた憲法の話 「海外派兵」への制約とは

2026年5月3日 8時00分 有料記事 専任記者・藤田直央

トランプ米大統領(右)との会談に臨む高市早苗首相=2026年3月19日、米ワシントン

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

イランと戦争を始めた米国のトランプ大統領が、ホルムズ海峡の「航行の安全」のため、日本を含む各国に艦船派遣を求めました。高市早苗首相は、3月の日米首脳会談の際にはこれに応じず、憲法にふれながら「できることとできないこと」を伝えたとしています。中東などでの他国の戦争に自衛隊を送ることへの憲法の制約とは、どのようなものでしょうか。

Q 憲法の制約に関する政府の立場は?

A 日本国憲法は平和主義を掲げ、9条で戦争を放棄し「戦力」を持たないとしています。このため政府は、日本を守るための「必要最小限度の武力の行使」はできても、武力の行使のために外国へ自衛隊を送る「海外派兵」はそれを超えるので、原則としてできないとしています。1946年に公布された日本国憲法の原本=国立公文書館デジタルアーカイブ

イランと戦っている米国の求めで、イランなど中東諸国の領海になるホルムズ海峡へ自衛隊が行くことは、日本を守るためとは言えない「海外派兵」によってイランと戦争をすることになりかねず、憲法に反する恐れがあります。

Q ホルムズ海峡にイランがまく機雷を自衛隊が取り除くこともだめなの?

A 国際法上、戦争中に機雷を除去する行為は、敵対行為とみなされる可能性があります。政府は、自衛隊の活動範囲を「非戦闘地域」に限定しており、機雷除去が戦闘行為に巻き込まれるリスクがある場合、憲法の制約に抵触すると考えられます。過去の事例では、湾岸戦争後の機雷除去は停戦後に行われましたが、現在のイランとの戦闘状態では、同様の活動は困難です。

この記事は有料記事です。残り1155文字 有料会員になると続きをお読みいただけます 今すぐ登録(1カ月間無料)※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません ログインする アプリで開く

お気に入りのニュースサイトをGoogleで優先的に表示できます。今すぐ「朝日新聞」をかんたん登録

この記事を書いた人 藤田直央 専任記者|現代史・憲法・公文書 フォロー 専門・関心分野 日本の内政・外交、近現代史 関連トピック・ジャンル トピックス 米・イスラエルのイラン攻撃 ジャンル 政治 外交・安全保障

PR 連載 そもそも解説 ボクシング世紀の一戦も有料配信 WBCで議論になった「権利」 2026年5月2日7時00分 辺野古沖転覆事故、これまでにわかったこと 調査や捜査の現状は 2026年5月1日18時58分 【そもそも解説】自律って? 高市首相が表明する新たなFOIPとは 2026年5月1日14時45分 日本とイラン友好関係の背景は? ホルムズ通過で「日章丸事件」注目 2026年4月29日18時55分 この連載の一覧を見る

関連ニュース ホルムズ海峡「存立危機事態」認定の制約は 過去の安倍首相答弁から 存立危機事態を語る首相のあいまいさ 武力行使限定する「たが」守れ 存立危機事態「また高市首相に聞きたい」 岡田元外相インタビュー 安保法制成立で「憲法論議終わった」 武力行使のタガ緩む政府と国会 総理大臣を飛び越えた「軍令」とは 明治憲法はこうして溶けていった 改憲に突き進んだ岸信介の誤算 「憲法は事実上修正」とみた米国は…

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

注目ニュースが1分でわかる ニュースの要点へ 5月3日 (日) 岩手・大槌の山林火災「鎮圧」 高市首相 新外交方針を表明 ボクシング「世紀の一戦」 5月2日 (土) 錦織圭、今季限りで引退表明 メットライフ生命、無断取得 旭山動物園、2日遅れで開園 5月1日 (金) 性的暴行訴えた検事が辞職へ 水俣病の公式確認から70年 2027年問題で値上がり? 4月30日 (木) 「出光丸」初のホルムズ通過 4月のクマ目撃、秋田で急増 チャイルドシートどうする? もっと見る