連載「高市改憲 9条の行方」の第1回は、2026年3月19日にホワイトハウスで行われた日米首脳会談の舞台裏を詳報する。この会談では、米国によるイラン攻撃に端を発するホルムズ海峡の「航行の安全」問題が議題となり、トランプ大統領が自衛隊の派遣を強く望んでいた。
憲法9条が阻止した戦争の瀬戸際
戦後81年を経て、日本が再び戦争に巻き込まれるかどうかの瀬戸際だったとされる。政府関係者は、日本側ができることとできないことを説明する際に、憲法9条に言及したと証言している。日本側の同席者は「人生で一番緊張した。やれることはやったが、当日まで何が起きるのか分からなかった」と当時の緊迫感を振り返る。
トランプ氏への説明とその反応
会談翌日、米FOXニュースはトランプ氏への電話取材を報じ、同氏が「(自衛隊の)艦船派遣には憲法上の制約がある」と語ったことを明らかにした。同時に「我々が必要とすれば、日本は味方してくれる」とも述べており、日本側の説明に一定の理解を示したとみられる。別の日本側同席者は「トランプ氏は、とりあえず理解してくれた」と安堵の表情を浮かべた。
高市内閣の事前準備と憲法の役割
高市内閣は、会談に先立ち「日本にできること」を徹底的に洗い出し、トランプ氏への説明方法を練り上げた。その過程で鍵となったのが憲法9条の存在だった。政府は、自衛隊の海外派兵には憲法上の制約があることを明確にし、その範囲内で可能な協力策を提示することで、トランプ氏の要求をかわす戦略をとった。
憲法9条の「たが」が機能した瞬間
今回の会談は、憲法9条が日本の戦争抑止力として実際に機能した事例として注目される。高市首相は、トランプ氏の強い要請にもかかわらず、憲法の枠組みを堅持し、自衛隊派遣を拒否した。この判断は、国内の改憲論議にも影響を与える可能性がある。
本連載では、今後も高市政権の改憲戦略と9条の行方を追う。次回は、ホルムズ海峡問題の法的論点や、過去の安倍首相の答弁との比較を予定している。



