ミツバチの触覚が栄養交換を誘発、高校生が常識覆す
東京都墨田区の安田学園高校3年、西野大翔さん(18)と國谷理久さん(17)が、ミツバチの触角の動きに関する研究で、動物行動学の常識を覆す発見をした。その成果が認められ、9日から米国アリゾナ州で始まる国際学生科学技術フェア(ISEF)で発表する。
触覚の動きに着目
同校の生物クラブでは、セイヨウミツバチを12年前から校内で飼育している。西野さんと國谷さんは高校1年の時、向かい合ったハチ同士が触角を動かしながら口移しで蜜を交換する行動を観察し、触角の動きが栄養交換の誘発に関係していると仮説を立てた。
AIツールで解析、振動が引き金に
研究では、2匹のハチを冷蔵庫で動きを止め、頭部以外をチューブに固定。常温に戻して向かい合わせ、栄養交換を誘発させた。真上から撮影した映像を基に、当初は約4000枚の静止画から手作業で触角の角度を計測したが、作業量の多さと曖昧さに苦戦。そこで、動物の部位を自動追跡するAIツール「DeepLabCut」を利用した。
AIに触角の位置を学習させて解析した結果、受け手のハチが渡し手の頭に向けて触角の先端を水平に小刻みに振動させる動きが、栄養を渡す引き金になっていることを発見した。昆虫の触角は刺激を受け取る感覚器とされてきたが、特定の行動の引き金となる振動刺激を発する器官としても機能することが示唆され、動物行動学の常識を覆した。
国際コンテストで発表
2人は昨年12月の「第23回高校生・高専生科学技術チャレンジ」でこの研究成果を発表し、ソニー賞を受賞。ISEF派遣作品に選ばれた。ISEFには約60の国・地域から1600人以上の高校生が参加する。
2人は、この研究成果が「群ロボット工学」に応用できる可能性を考えている。多数のロボットを協調して動かす際、接触刺激による栄養交換の模倣により、ロボット間のエネルギー供給の自動化や、通信状況が悪くてもタスクを継続させることなどが期待されるという。



