2026年版外交青書原案が明らかに、日中関係の表現が変更
外務省がまとめた2026年版「外交青書」の原案が3月24日に判明しました。この原案では、日中関係に関する記述が前年から大きく変更されており、中国を「最も重要な二国間関係の一つ」から「重要な隣国」へと表現を改めています。この変更は、高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁があった昨年11月以降、中国が日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めていると指摘した背景を反映しています。
中国の威圧的措置を具体的に列挙
原案では、中国側の日本に対する威圧策として、軍民両用(デュアルユース)製品の対日輸出規制強化や、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射事案などを具体的に列挙しました。これらの事例を挙げることで、日中関係における緊張の高まりを明確に示しています。一方で、日本側の対応については「中国との様々な対話についてオープンであり、扉を閉ざすようなことはしていない」と主張し、対話路線の維持を強調しました。
戦略的互恵関係の推進を明記
さらに、両国の共通利益に関して協力する「戦略的互恵関係」の推進も「一貫した方針」として明記しています。これは、緊張が高まる中でも、外交的な枠組みを通じた関係の安定化を図る姿勢を示すものです。この点は、日中双方が互恵的な利益を追求する重要性を再確認する内容となっています。
韓国との関係は前年の表現を踏襲
高市政権下で良好な関係を維持する韓国については、「パートナーとして協力していく重要な隣国」という前年の表現を踏襲しました。さらに、「日韓関係の重要性は一層増している」と付け加え、両国間の協力の深化を強調しています。この記述は、地域情勢の中で日韓関係の役割が高まっていることを示唆しています。
国際情勢の変革期を分析
原案では、現在の国際情勢をめぐり、自由で開かれた国際秩序は「大きく動揺」し、国際社会はパワーバランスの変化や地政学的競争の激化を受け、「歴史の大きな変革期」にあると分析しました。2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃についても言及し、「エネルギー安全保障を含む中東地域の平和と安定は、日本にとって極めて重要」と記しています。早期沈静化に向けて外交努力を行う方針を明らかにしました。
外交青書の概要と今後の展開
外交青書は国際情勢や日本外交の記録をまとめたもので、4月上旬に閣議で配布される予定です。今回の原案は、日中関係の微妙な変化や国際社会の動向を反映し、日本の外交戦略の方向性を示す重要な文書となっています。今後の正式版の発表に向けて、注目が集まっています。



