米国防総省が取材指針を改定、施設内立ち入りに職員同行を義務化へ
米国防総省は3月23日、記者の取材指針を一部改定したと正式に発表しました。この改定は、首都ワシントンの連邦地裁が同省の従来の指針を違憲と判断したことを受けた措置ですが、新指針では規制を強化する内容となっています。具体的には、取材許可証を持っている記者であっても、国防総省の施設内に立ち入る際には職員の同行を義務づけることが明記されました。
新指針の詳細と施設の変更点
改定後の新指針では、記者の安全と機密保護を理由に、施設内での行動に制限を加えています。これに伴い、同省内に設置されていた記者の作業スペースは閉鎖され、敷地内の別の建物内に移転されることになりました。この変更は、記者のアクセスをより管理しやすい環境に再編成する意図があると見られています。
ショーン・パーネル報道官は同日、ソーシャルメディアを通じて声明を発表し、「国防総省は常に裁判所の命令に従うが、今回の決定には同意しない」と述べました。さらに、同省は連邦地裁の判断に対して控訴する方針を改めて示し、法的な争いが継続する見通しです。
背景にある訴訟と裁判所の判断
この一連の動きは、米紙ニューヨーク・タイムズが不当な報道規制だとして国防総省を提訴したことに端を発しています。連邦地裁は3月20日、国防総省の指針を差し止める命令を出し、その違憲性を明確に指摘しました。裁判所は、報道の自由を不当に制限する可能性があるとして、指針の見直しを求めたのです。
国防総省の対応は、裁判所の命令に従いつつも、自らの規制方針を維持しようとする姿勢を示しています。新指針の導入により、記者の取材活動に新たな制約が生じる可能性が高まっており、報道関係者からは懸念の声が上がっています。
この問題は、国家安全保障と報道の自由のバランスをめぐる議論を再燃させており、今後の法的な展開が注目されます。国防総省の控訴がどのように進展するかによって、米国における取材環境がさらに変化する可能性があるでしょう。



