高市首相、米国訪問で突きつけられた重い課題 ホルムズ海峡貢献と自衛隊派遣検討
訪米中の高市早苗首相は現地時間3月20日、政府専用機で米国を発ち、帰国の途に就いた。ワシントン近郊のアーリントン国立墓地では無名戦士の墓に献花する姿も見られた。今回の訪問ではトランプ米大統領との良好な関係を演出することには成功したが、首相には重い課題が課される結果となった。
ホルムズ海峡の航行安全貢献を要求 現行法制内での自衛隊派遣検討迫られる
最大の焦点となったのはイラン情勢だ。米国とイスラエルがイランとの間で激しい軍事的応酬を繰り広げる中で行われた首脳会談で、トランプ氏は事実上封鎖されているホルムズ海峡の航行の安全への貢献を日本に求めた。これにより、高市首相は現行法制の範囲内で自衛隊派遣を検討し続けなければいけない重い課題を突きつけられた形だ。
ホワイトハウスでの会談では、トランプ氏の横に座る首相の緊張が明らかだった。会談冒頭、英語で話そうとするも言葉につまり、通訳を頼む場面も。首相は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と持ち上げると、しばしば目を見開いてトランプ氏の表情を凝視していたという。
トランプ氏は選挙成功を称賛 関係構築に手応えも
対するトランプ氏は先の衆院選に触れ「選挙で最も大きな成功を収めた」と高市首相を称賛。非公開の場面でも何度も繰り返していたといい、日本政府関係者は「選挙で民意を得たことで信頼にもつながっているのだろう。昨年10月の初会談から関係構築は進んでいる」と手応えを感じていた。
この評価は、日米同盟の強化にとって重要な要素となる。しかし、具体的な安全保障上の要求が突きつけられたことで、首相には現実的な対応が求められることになった。
帰国後は予算成立の山場 国会対応など難題が待ち受ける
首相が帰国後に対応を迫られるのは国際問題だけではない。首相がこだわる新年度予算の年度内成立をめぐって、国会では山場を迎えている。与野党の駆け引きが激化する中で、首相の政治手腕が試されることになる。
さらに物価高対応など国内の経済課題も山積みだ。米国での外交課題と国内政治課題の両方を同時に処理しなければならない状況は、首相のリーダーシップに大きな負担をかけることになる。
今回の訪米で高市首相は、国際社会における日本の役割の重さを改めて認識させられる結果となった。ホルムズ海峡問題への対応は、日本の安全保障政策の方向性にも影響を与える重要な課題だ。帰国後の首相には、外交と内政の両面で難しい判断が求められる日々が続くことになる。



