政府、石油国家備蓄の放出を26日から開始へ
政府は3月26日から石油の「国家備蓄」の放出を開始する。石油元売り4社に対し、随意契約で国内消費量の約1カ月分に相当する約5300万バレルを売却する方針を明らかにした。この緊急措置は、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、中東からの原油供給が大幅に減少している状況に対応するものだ。
国家備蓄放出はウクライナ侵攻以来2回目
3月24日に開催された中東情勢に関する関係閣僚会議で決定された今回の措置は、法律に基づく国家備蓄の放出としては、2022年のロシアによるウクライナ侵攻時以来、2回目となる。全国に20カ所ある備蓄基地のうち、北海道や鹿児島県など11カ所の基地から順次、タンカーやパイプラインを通じて4社の製油所に輸送される。
放出量は3月21日時点の備蓄量146日分の約2割に相当する。政府は中東情勢の緊迫化による価格高騰前の原油価格で売却する方針で、売却総額は約5400億円と見込まれている。
産油国共同備蓄も初めて放出
さらに、国内の民間タンクを産油国の石油会社に貸して備蓄している「産油国共同備蓄」も今月中に放出される。これはサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートの3カ国の石油会社に貸与している鹿児島県と沖縄県の2カ所の民間タンクに貯蔵されているもので、3月21日時点で6日分の備蓄があるうち、5日分を石油元売りに売却する。
産油国共同備蓄の放出は初めての試みとなる。平時には産油国の石油会社がアジア地域への販売拠点として利用しているが、緊急時には日本が優先的に供給を受けられる仕組みが整えられている。
エネルギー安全保障の強化策
今回の措置は、中東地域の緊張が高まる中、日本のエネルギー安全保障を強化することを目的としている。ホルムズ海峡の封鎖状況が続けば、日本の中東依存度の高い原油調達構造に大きな影響が及ぶ可能性がある。
政府関係者は「国際情勢の変化に迅速に対応し、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑える必要がある」と述べ、備蓄放出の重要性を強調した。今後も中東情勢を注視しながら、必要に応じて追加措置を検討する方針を示している。



