和歌山県すさみ町が町立病院の入院廃止を検討 町長が財政危機を警告
和歌山県すさみ町は3月9日、赤字経営が続き財政を圧迫している町立の「国保すさみ病院」について、2026年度から入院機能の廃止を検討すると正式に発表しました。この決定は、人口減少の影響や設備が充実した近隣病院への患者流出が深刻化していることを受けたものです。
患者数低迷と財政悪化が背景に
町によると、国保すさみ病院の患者数は長期間にわたって低迷しています。特に入院患者数は、2025年4月から今年2月までの期間で2人から11人と推移し、25床ある病床の半分にも満たない状況が続いていました。このような利用状況の悪化が、病院経営の赤字を拡大させる要因となっています。
現在の病院は外来診療や訪問診療を中心に業務を絞り込む方向で検討が進められており、具体的な入院機能廃止の時期についてはまだ未定となっています。町は、入院が必要な患者については紀南病院(田辺市)などの近隣の中核病院に委ねる方針を検討しています。
岩田勉町長が記者会見で危機感を表明
岩田勉町長は同日の記者会見で、「これ以上赤字が続くと、町政と共倒れになってしまう」と強い危機感を表明しました。さらに、「町民に迷惑をかける前に決断する必要がある」と述べ、町民への理解を求めました。
この発表は、地方自治体が抱える医療機関の経営難と人口減少問題が複合的に影響している実態を浮き彫りにしています。すさみ町の対応は、同様の課題を抱える他の地域の医療施設にも影響を与える可能性があります。
今後の検討では、入院機能廃止後の外来診療体制の強化や、訪問診療サービスの拡充が焦点となる見込みです。町は地域医療の持続可能性を確保するため、新たな医療提供体制の構築を急ぐ方針です。



