愛知県は2日、南海トラフ巨大地震に関する独自の被害予測を12年ぶりに改定し、公表した。最悪のシナリオでは、県内の死者数が約2万7千人に達する見込みである。これは、揺れによって河川や海岸の堤防が破壊されることを前提としたため、国が昨年3月に発表した想定よりも約8千人多い数字となっている。
震度分布と被害の詳細
県の発表によると、千年に一度の発生頻度とされるマグニチュード(M)9クラスの地震が発生した場合、県内の広範囲で震度6強以上が観測され、沿岸部を中心に震度7の地域が広がる。建物の全壊・焼失は最大で約36万7千棟に上り、そのうち揺れによる全壊が約6割を占めると推定される。
津波の影響
静岡県と隣接する豊橋市では、地震発生から6分後に30センチの津波が到達する見込み。最大の津波高は、渥美半島に位置する田原市で20メートルを超えると予想される。浸水および津波による死者は最大で約1万4千人と試算された。
過去の地震に基づく予測
愛知県は、宝永地震(1707年、M8.6)など過去に南海トラフで発生した地震を基にした予測も同時に発表した。この予測では、死者は約5300人、災害関連死は約3300人から8400人と推計されている。
経済的影響
自動車産業が集積する愛知県は、東京都に次ぐ全国第2位の経済規模を誇る。今回の想定では、復旧に必要な直接的な経済被害は19兆4000億円、生産額の低下による間接的な被害は3兆4000億円に達する。東海道新幹線については、地震の揺れによって復旧までに1週間から1カ月を要する可能性があると見込まれている。
調査の背景
今回の被害予測は、国の見直しに合わせて実施されたもので、地盤・地形、人口などの最新データを用いて調査が行われた。



