大阪都構想法定協、設置決定も他党参加は不透明
大阪府議会(定数79)は3日、「大阪都構想」の制度案を作る法定協議会の設置議案を、地域政党・大阪維新の会などの賛成多数で可決した。大阪市議会では5月に可決されており、法定協の設置が決定した。法定協は今月中旬に初会合が開かれる見通しだが、他党が参加するかは不透明な情勢だ。
吉村知事「副首都にふさわしい都構想」
大阪府議会の本会議終了後、吉村洋文知事(維新代表)は記者団に対し、「大阪の未来に向け、副首都にふさわしい都構想の設計図(制度案)作りに着手したい」と意気込みを語った。設置議案は府議会本会議で、維新など53人の賛成で可決。公明党や自民党など25人は反対した。
法定協は、都構想の手続きを定めた大都市地域特別区設置法に基づき、府・市両議会での議案可決で設置される。ここで大阪市をいくつの特別区に再編するかなどを盛り込んだ制度案を作成する。吉村氏は来年春の統一地方選と住民投票の同日実施を目指し、5~6月の設置議案可決を「リミット」と位置付けていた。
焦点はメンバー選び、公明・自民は保留
今後の焦点は、知事・市長と府議・市議の計20人で構成される法定協のメンバー選びだ。両議会の会派構成に基づけば、維新が13人を占め、残りが他党に割り振られる。しかし、3日の府議会終了後に開かれた会議で、議長から委員候補の名簿提出を求められた公明党と自民党の府議団は態度を保留した。
公明府議団の藤村昌隆幹事長は記者団に「法定協は市を廃止する設計図を作るのが目的で、参加する価値があるのか疑問だ」と述べ、自民府議団の鹿田松男幹事長は「他会派の動きも見ながら判断したい」と語った。市議会では公明市議団が2日、参加の条件として、住民投票を来年春の統一選との同日実施としないことなどを求める方針を表明。自民市議が所属する別の2会派も、住民投票の実施期限を区切らないことなどを条件とすることを検討しており、維新側が容易に受け入れられる内容ではない。
過去の経緯と課題
過去の法定協では、反対派排除や決裂の経緯がある。2015年の最初の住民投票では、法定協で区割り案の絞り込みに維新以外が反対したことから、橋下徹市長(当時)が出直し市長選に踏み切り勝利。法定協委員が入れ替えられ、反対派が排除された。20年の2度目の住民投票では、維新と公明が法定協で住民投票の実施時期を巡って決裂。松井一郎知事(同)と吉村氏が立場を入れ替えて知事・市長のダブル選に臨み、打開を図った。
公明市議はこうした経緯を踏まえ、「出席しても意見が尊重されるかは疑問だ」と語る。一方、ある維新府議は「他党が参加すれば、『反対意見を受けて修正した』と市民に説明しやすいが、維新単独では世間への『見栄え』が良くない」と本音を漏らす。
法定協の行方は、今後の政局や住民投票の実施時期に大きな影響を与えそうだ。



