戦後80年を契機に都内46自治体が特別平和事業を実施
東京都内の全62区市町村のうち、昨年の戦後80年にあたり特別な平和事業を実施した自治体が46あったことが、共産党都議団の初めての調査で明らかになった。都議団は今年1月から2月にかけて、都内のすべての区市町村を対象に平和事業の実施状況について初の包括的な調査を実施し、全自治体から回答を得た。
多様な平和事業の実施状況が浮き彫りに
調査では、子どもや若者を対象とした平和事業の実施状況、平和教育を支援する取り組み、自治体施設での平和関連展示の有無など、10項目にわたる質問が行われた。その結果、普段から継続的に平和事業を行っている自治体は45にのぼり、そのうち28自治体が被爆地である広島や長崎などへの派遣事業を実施していることが確認された。
公立小中学校で行われている出前授業などの平和教育を支援しているかとの質問に対しては、半数の31自治体が支援を行っていると回答。平和関連施設については、平和資料館を設置している世田谷区を含む3区6市が専用施設を有しており、別の施設で平和関連の常設展示を行っている自治体は13区5市に及んだ。
さらに、平和都市宣言などの宣言を行っている自治体は、23区と32市町村に達していることも判明した。これらの数字は、都内の自治体レベルで多様な形で平和への取り組みが進められている実態を浮き彫りにしている。
平和関連予算には大きなばらつき
調査では、各自治体が「平和関連」として認識している事業の2023年度から2025年度までの予算額についても詳細に聞き取りが行われた。その結果、平均予算額は2023年度が450万円、2024年度が673万円、2025年度が814万円と年々増加傾向にあることが明らかになった。
しかし、予算額には自治体間で大きな差が見られ、2025年度では大田区が1億2200万円と最も高い予算を計上している一方、他の自治体との間に顕著な格差が存在する。このばらつきは、各自治体の財政状況や平和事業への優先度の違いを反映している可能性がある。
都の積極的な支援を求める声
6日に都庁で行われた記者会見で、調査結果を説明した戸谷英津子政調会長は、「草の根の取り組みを詳細に把握したいという目的で初めて調査を実施した」と語った。さらに、「東京都が率先して支援を行い、各自治体がより積極的に平和事業に取り組める環境を整備してほしい」と訴え、都レベルでのさらなる後押しを強く求めた。
この調査は、戦後80年という節目の年に、地方自治体レベルでどのような平和への取り組みが行われているかを初めて体系的に明らかにした点で意義深い。都内の多くの自治体が平和事業に取り組んでいる一方で、予算や取り組みの内容には依然として大きな差があることも浮き彫りになっており、今後の均等な発展が課題となりそうだ。



