12歳で書店オーナーに!狛江市のシェア型書店で本棚を借りる中学生
12歳で書店オーナー!狛江のシェア型書店に中学生

「シェア型書店」と呼ばれる新しい本屋の形が各地に広がっている。個人が書店の棚を借り、自分の好きな本を販売する仕組みだ。その中で、12歳の中学1年生が「棚主=書店オーナー」になったと聞き、東京都狛江市を訪ねた。

12歳の書店オーナー、秋元紀玲さん

恥ずかしそうにしていたのは最初だけ。本棚の話題になると、うれしそうに話し始めた。中学1年生の秋元紀玲(すみれ)さん(12)は「これが私の本棚『すみれ書店』です! 私が読んで、いいなーと思った本を売っています」と笑顔を見せた。

場所は小田急線狛江駅南口にある「コマエブックスタンド HACO」。店舗内の本棚を個人(棚主)に貸し出す「シェア型書店」として、2026年4月にオープンした。現在は36の棚を貸し出しており、秋元さんもその一人だ。

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「すみれ書店」の棚には手書きの解説

「すみれ書店」と書かれた棚には、青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」や住野よるさんの「また、同じ夢を見ていた」などが、手書きのあらすじとともに並ぶ。お薦めの本を聞くと、「いとうみくさんの『糸子の体重計』です。食べるのが大好きな小学5年生の糸子が痩せる勝負をするお話です」と答えた。

なぜ棚主に? きっかけは父親の提案

秋元さんはこの春、中学生になったばかり。どうして棚主になろうと思ったのか。「誕生日のプレゼントは何がいいかなって考えていたときに、お父さんがここを借りたら人生経験になるんじゃないかって言ってくれて。それで借りてもらいました」と話す。

父親の慈一さん(45)は「本を読むのと同時にビジネスの勉強になればいいと思いまして」と期待を込める。

シェア型書店の仕組み

シェア型書店はどのように収益を上げているのか。同店の場合、月に3500円払えば書棚のオーナーになれる。これが店側の主な収入だ。棚主は本の売り上げが全て入る。店主の山本雅美さん(59)によると、ここではこれまでに読んだ中古の本を持ち込み、自分で価格を付けて販売する人がほとんど。本の選び方や値段設定が腕の見せどころだという。

新刊を扱う店の場合は、店主が棚主の注文に応じて仕入れ、定価で販売し、手数料を引いた金額を棚主に渡すケースが多い。「手軽に本屋の店主になれる」「自分の推しを売ることができる」と人気が上昇。正確な数は把握されていないが、全国で100店舗以上あるとみられている。

読書量は月10冊、中学生になっても変わらず

秋元さんの読書量は「月に10冊くらい。朝の会の前とか、学校でたくさん読んでいました」。全国学校図書館協議会などの調査によると、子どもが1カ月に読む本の数は、小学生12.1冊に対して中学生3.9冊、高校生は1.4冊(2025年)。小学生と中学生の間に大きな隔たりがある。このギャップをいかに埋めるか。若年層の棚主チャレンジは問題解決の糸口になりそうだ。

本棚を借りたことで生まれた変化

本棚を借りたことで、秋元さんにはある変化が生まれたという。「自分のやることに自信がついた気がします。あと、もっともっと本を読まなきゃって思いました」と目を輝かせる。

売り上げはまだ未集計。今後の使い道を聞くと、「本はおばあちゃんからもらう図書券で買えるので、友達と遊びに行くお小遣いにします!」と笑った。

「コマエブックスタンド HACO」概要

東京都狛江市東和泉1の20の2永光ビル3階。営業時間など詳細は店のインスタグラムで紹介している。

図書館司書の資格を持ち、毎月第2木曜に「旅をする本棚」を連載中の筆者が、図書文化を巡る話題を随時リポートしていく。

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