H3ロケット6号機、2回目燃焼試験が成功 ブースターなしの低コスト型で日本初の試み
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、主力ロケット「H3」6号機の2回目となるエンジン燃焼試験を鹿児島県・種子島宇宙センターで実施し、計画通りに終了したことを発表しました。この試験は、補助ロケットブースターを使用しない新たな低コストタイプの打ち上げに向けた重要なステップとして位置づけられています。
ブースターなしの「30形態」で日本初の挑戦
H3ロケット6号機は、主エンジン3基とブースター0本で打ち上げる「30形態」と呼ばれるタイプです。大型の液体燃料ロケットをブースターなしで打ち上げる試みは、日本では初めてとなります。JAXAはこの形態を採用することで、打ち上げ費用を従来の「H2A」ロケットの半額である約50億円に削減することを目標に掲げています。
試験では、発射台に固定した状態で液体燃料を注入し、主エンジン3基を約50秒間燃焼させました。昨年7月に行われた1回目の試験では、燃料タンク内の圧力が想定より低くなる異常が発生しましたが、今回は加圧ガスの流量を増やして圧力を高めるなどの対策を講じた上で実施されました。
データ分析へ進む 関係者は「大きな関門を越えた可能性」
JAXAは今回の試験で得られた圧力などのデータを詳細に分析する予定です。実験終了後、有田誠プロジェクトマネージャは「大きな関門の一つを越えられた可能性が高い」と述べ、試験の成功に手応えを示しました。
H3ロケットは昨年12月に8号機の打ち上げに失敗し、原因究明が続けられています。この影響により、日本は現在、人工衛星や探査機などを独自に打ち上げることができない状況に陥っています。
専門家も評価 「確実なステップ進展は良かった」
金沢工業大学の森合秀樹教授(宇宙推進工学)は、今回の試験について次のように評価しました。「最近は官民でロケットの打ち上げ失敗が相次ぎ、日本の技術力の低下を指摘する声もありました。しかし、今回の試験で確実にステップを進められたことは良かったと思います」と述べ、日本の宇宙開発技術の回復に向けた前向きな一歩として捉えています。
JAXAは、低コストで信頼性の高いロケットの実現を目指し、今後も試験を重ねていく方針です。日本の宇宙産業の競争力強化に向けて、H3ロケットの開発が重要な役割を果たすことが期待されています。



