カイロス3号機、発射直後に飛行中断 和歌山で打ち上げ実施も期待外れに
2026年3月5日午前11時10分、和歌山県串本町の宇宙新興企業スペースワン(東京)の発射場「スペースポート紀伊」から、小型ロケット「カイロス」3号機が打ち上げられた。しかし、発射から約1分後に飛行中断措置が取られ、串本町と那智勝浦町の見学場で見守った計約400人の観客からは落胆の声が広がった。一方で、今後の成功を願う期待の声も多く聞かれた。
迫力ある打ち上げも一転、中断の報に会場が沈黙
串本町の田原海水浴場では、打ち上げ時刻に地響きのような音とともにロケットが高度を上げ、会場からは歓声や拍手が湧き上がった。しかし、しばらくして「飛行中断措置」の一報が入ると、一気に落胆が広がり、多くの見学者が肩を落とした様子だった。
現地で報道各社の取材に応じた串本町の田嶋勝正町長は、「飛行中断は残念だったが、打ち上げ自体は本当に迫力があり、素晴らしいものだった」と述べた。さらに、「見学者らは次の打ち上げの時にも見に来ようと思ってくれているはず」と、今後の継続的な取り組みへの期待を語った。
宮崎知事、失敗を糧にした継続的な取り組みを強調
和歌山県の宮崎知事は県庁の知事室で打ち上げ中継を見守り、カイロスが打ち上げられると「いい感じや」と笑顔でつぶやいた。しかし、機体が旋回し始めると、ため息を漏らしたという。
その後、報道各社の取材に対して、知事は「成功に至らなかったことは残念。一生懸命頑張っていただいた地元の方々やスペースワン社に感謝を申し上げたい」と述べた。県は宇宙関連の産業集積を目指しており、知事は「今回の試みは失敗とは思わず、それを糧に新しい試みがまた生まれるだろう。宇宙に関する取り組みは継続していきたい」と語り、今回の経験を次へ活かす姿勢を示した。
この打ち上げは、和歌山県が推進する宇宙産業の振興策の一環として実施されたもので、地域経済への波及効果が期待されている。飛行中断の詳細な原因は現在調査中だが、スペースワン社は早期の再挑戦を目指すとしている。



