IAEA理事会、ウクライナ原子力安全に懸念表明 ロシアのエネルギー施設攻撃を非難
IAEA、ウクライナ原子力安全に懸念 ロシアの施設攻撃で決議採択 (05.03.2026)

IAEA理事会、ウクライナの原子力安全に深刻な懸念を表明

国際原子力機関(IAEA)は3月5日に開催された定例理事会において、ウクライナ情勢に関連して、エネルギー施設に対するロシアの集中攻撃が同国の原子力安全に及ぼすリスクについて、強い懸念を表明する決議案を賛成多数で採択しました。この決議は、ウクライナの原子力インフラが直面する直接的な脅威を浮き彫りにし、国際社会の注目を集めています。

エネルギー施設の損傷が原発の外部電源供給に重大なリスク

決議では、ロシアを名指しで非難することは避けられたものの、エネルギー施設への攻撃によって、原子力発電所への外部電源供給が「完全に喪失するリスクを高める」と明確に指摘されました。特に、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所を含む施設の安全が、このような攻撃によって「直接的な脅威」にさらされていると強調されています。これは、原子力事故の可能性を高める深刻な懸念材料として、IAEAが緊急の対応を求める内容となっています。

投票結果と各国の反応:日本は賛成、米国は反対

複数の外交筋によると、この決議の採択では、日本を含む20カ国が賛成票を投じ、10カ国が棄権しました。一方で、中国、ロシア、米国、ニジェールの計4カ国が反対票を投じました。米国は声明の中で、ロシアとウクライナの和平交渉を仲介する立場から、「和平達成に寄与しない不必要な決議だ」と述べ、決議の採択に批判的な姿勢を示しました。しかし、同時に関係国に対しては、原子力の安全を危険にさらす行為を控えるよう要請するなど、安全保障面での配慮も表明しています。

この決議は、ウクライナ紛争がエネルギーセキュリティと原子力安全に与える広範な影響を国際的に認識させる重要な一歩となりました。IAEAは今後も、ウクライナの原子力施設の状況を監視し、必要な支援を提供していく方針です。国際社会は、こうした危機が地域全体の安定を脅かす可能性があることから、さらなる外交努力と協力を求められています。