ロシア軍が依存する衛星通信網スターリンクが遮断、作戦遂行に深刻な混乱
米宇宙企業スペースXが衛星通信網「スターリンク」の利用に新たな登録制度を導入したことで、ウクライナを侵略するロシア軍に大きな混乱が生じている。無人機による攻撃作戦や指揮系統に支障が出ているとの指摘もあり、今後の戦況への影響が注目されている。
スターリンクへの依存と遮断による影響
ウクライナの国防相顧問は6日、テレビ番組などで、「ロシア軍は実に多くのスターリンクを所有し、人的ネットワークの大部分がスターリンク上に構築されている」と発言した。露軍では無人機の操作や司令部間の連携にスターリンクが使用されており、その影響は甚大だと強調した。スペースXが今月1日に通信遮断を公表すると、ロシア側から驚きの声が上がり、約290万人のフォロアーを持つ露軍事ブロガーは「恐れていたことが、ついに起こった」とSNSに投稿した。
新制度導入の背景とロシア軍の対応
スペースXはロシア国内での端末販売を認めていないが、ロシアは第三国から端末を入手し、戦場で多くの兵士が使用しているとみられる。電波妨害の影響を受けにくく、映像を確認しながら無人機の操縦が可能になる利点から、当初は偵察や連絡手段に使用されていたが、昨年12月頃からは無人機攻撃にも投入され始めた。今回の通信遮断と新制度導入は、ウクライナのミハイロ・フェドロフ国防相がイーロン・マスク氏との交渉を通じて実現し、ウクライナ政府が承認した端末のみが通信可能になる仕組みが導入された。
ロシア軍は端末登録に必死の対応を取っており、ウクライナ当局は10日、露軍がウクライナ人捕虜の家族に対してスターリンク端末の登録を強要したと発表し、「人の弱みを利用している」と非難した。
戦況への影響と今後の見通し
通信遮断後も無人機攻撃は続いており、影響の程度は不透明な部分もある。ウクライナ軍によると、露軍は12日に200機以上の無人機を投入し各地を攻撃した。一方、露独立系メディア「モスクワ・タイムズ」は11日、NATO高官の情報として、露軍の指揮系統に問題が発生し、南部ザポリージャ州でウクライナ軍が「戦果を上げた」と伝えた。この措置が戦況にどのような変化をもたらすか、引き続き注視が必要だ。



