イラン中部核施設に高濃縮ウラン保管の疑い IAEA事務局長が懸念表明
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は9日、イランが濃縮度60%の高濃縮ウランを中部イスファハンの核施設で保管しているとの見解を示した。訪問先のパリで記者団に述べたもので、国際社会の懸念を改めて浮き彫りにしている。
地下施設に保管 攻撃後も残存の可能性
グロッシ氏によると、保管されている場所は核施設の地下深くに造られており、昨年6月に米国とイスラエルが行った攻撃で深刻な被害を受けなかったとしている。ロイター通信の報道では、同氏は昨年6月の攻撃前の時点で、イスファハンの核施設には高濃縮ウランが「200キロ以上保管されていた」と指摘。その後もウランが「移送されたことを示す動きはない」とし、今年2月末からの米イスラエルによる攻撃後も残存しているとの考えを示した。
特殊部隊投入報道に懸念 交渉再開を訴え
また、米国とイスラエルが高濃縮ウラン確保のため、イラン国内への特殊部隊投入を協議しているとの報道について、フランスメディアに対し、グロッシ氏はウラン確保は「可能だと思うが、そのような方法でないことを願う」と述べた。さらに、交渉再開の重要性を強く訴え、軍事的手段よりも外交的解決を促す姿勢を明確にした。
この発言は、イランの核開発問題が国際安全保障上の重大な課題として継続していることを示しており、中東地域の緊張緩和に向けた対話の必要性が改めて強調される形となった。



