「ひろしまレポート」が警鐘 核軍縮停滞、核戦力近代化が着実に進行
核軍縮進まず核戦力近代化進む ひろしまレポートが指摘

核軍縮の停滞と核戦力近代化の進行を「ひろしまレポート」が厳しく指摘

広島県などが2026年4月10日に発表した「ひろしまレポート」は、核兵器廃絶に向けた2025年の各国の取り組み状況を監視・評価した結果、核軍縮の進展がほとんど見られない一方で、核戦力の近代化が着実に進んでいる実態を明らかにした。この報告書は、国際社会が直面する深刻な課題を浮き彫りにしている。

核保有国の動向を詳細に分析 米国の評価が低下

レポートは、核不拡散条約(NPT)上の核保有5カ国に加え、NPTに加入せず核兵器保有を公表または否定しない3カ国などを含む計34カ国について、2025年の動向を調査・分析した。評価は「核軍縮」「核不拡散」「核セキュリティー」の3分野で行われ、特に核軍縮分野では厳しい現状が示された。

核軍縮の評価において、NPT加盟の5核保有国のうち、米国だけが2024年よりも評点を下げた。この要因として、日本が国連総会に提出した核兵器廃絶決議について、前年までの賛成から棄権に回った点などが挙げられている。さらに、「ロシアと中国に軍備管理・軍縮対話を呼びかけたが、具体的な成果をあげるには至らなかった」と指摘し、国際的な対話の停滞が顕著であることを強調した。

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実質的な核軍拡競争が進行 危機的状況を警告

レポートは、「核軍縮の合意や実施に向けた取り組みの進展はほとんど見られなかった。実質的な核軍拡競争が着実に進んでいる。核保有国は核戦力の近代化を進めている」と厳しく批判した。これは、核兵器の削減を目指す国際的な枠組みが機能不全に陥り、むしろ核戦力の強化が進む傾向にあることを示している。

広島県の横田美香知事は、この報告書の発表に際して会見を開き、「核のタブーが打ち破られる危機的状況」であると警鐘を鳴らした。広島は原爆被害の地として、核兵器の廃絶を強く訴えており、このレポートはそのメッセージを国際社会に改めて伝える役割を果たしている。

国際社会への課題提起と今後の展望

「ひろしまレポート」の発表は、核兵器をめぐる国際情勢の緊迫化を反映している。ロシアは三つの評価分野すべてで低い評点となっており、核を巡る大国間の対立が先鋭化している実態が浮かび上がる。この報告書は、以下の点を特に強調している。

  • 核軍縮の進展が停滞し、合意形成が困難になっている現状
  • 核保有国による核戦力の近代化が加速している傾向
  • 国際的な軍備管理対話の必要性とその課題

広島県などは、このレポートを通じて、核兵器のない世界を目指すための具体的な行動を各国に促すとともに、市民社会への啓発を続けていく方針を示している。核廃絶への道のりは依然として険しいが、広島からの発信が国際的な議論を喚起することが期待される。

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