任侠電器第60回:阿岐本、スギモト電器を監視
任侠電器第60回:阿岐本、スギモト電器を監視

午後一時頃、日村は阿岐本に呼ばれて、代表室を訪ねた。阿岐本は「昼飯は済んだか?」と尋ね、日村が「はい」と答えると、「じゃあ、ちょっと付き合ってくれ」と言った。日村が「お出かけですか?」と問うと、阿岐本は「ああ。車の用意を頼む」と命じ、日村は「承知しました」と応じた。

日村は稔に車を出させた。乗り込むと、阿岐本は「スギモト電器に向かってくれ」と指示した。車が走り出すと、日村は阿岐本に「また、昇さんとお話しされるんですか?」と尋ねた。しかし阿岐本は「いや、そうじゃねえ。スギモト電器が見えるところに車を停めてくれ」と答えた。稔が「わかりました」と応じる。

日村には訳がわからなかった。阿岐本は車を停めて何をしようというのか。さらに阿岐本は「あまり目立たないところがいいな」と付け加えた。日村は、路上駐車すれば嫌でも人目に付くのではないかと考えたが、車はコインパーキングに入った。そのパーキングは道を挟んでスギモト電器の向かい側にあり、驚いたことに駐車した場所から店の出入り口が見えた。

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監視にはもってこいの場所だった。日村は、さすがは稔だと舌を巻いた。

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