核兵器廃絶への対話を イラン攻撃1カ月で浮き彫りになった世界のダブルスタンダード
核廃絶対話を イラン攻撃で露呈した世界のダブルスタンダード

核兵器廃絶への道筋が不透明に イラン攻撃1カ月で浮き彫りになった世界の矛盾

2026年3月28日、イランへの攻撃からちょうど1カ月が経過した。この軍事行動をめぐり、国際社会には深刻なダブルスタンダードが存在することが明らかになってきた。高市早苗首相は「イランによる核兵器開発は決して許されない」と明言する一方で、米国とイスラエルによる攻撃が国際法違反に当たるかどうかの評価は避け続けている。

自由と民主主義を標榜する欧米諸国の二重基準

ロシアのウクライナ侵攻を厳しく批判した英国、フランス、ドイツも同様の姿勢を見せている。国際法違反と言えるむき出しの「力による現状変更」への批判は封印され、むしろイラン側を指弾する動きが目立つ。この対応は、2023年に被爆地・広島で開催されたG7広島サミットを想起させる。

同サミットでは、G7諸国が核抑止力を容認する「広島ビジョン」が採択された。自由と民主主義の欧米対権威主義諸国という価値観に基づく世界のとらえ方は、もはや破綻したと言えるだろう。

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核軍縮条約失効で「底抜けた世界」が現実に

世界の核兵器の9割を占める米国とロシアの間で唯一残っていた核軍縮条約、新戦略兵器削減条約(新START)が今年2月に失効した。「核には核を」という発想が強まる中、核のコントロール機能を失った国際社会は、まるで底が抜けてしまったような状態にある。

交渉途中だったイランは、国際原子力機関(IAEA)の査察が必要な核不拡散条約(NPT)にはとどまっていた。一方で、NPTに加わらずに核兵器を保有するイスラエルは見逃される構図が続く。

イラン攻撃がつくった危険な前例

今回のイラン攻撃は、核開発疑惑国には先制攻撃をしてもいいという新たな前例をつくった。これは、先の大戦で核兵器を使用しても謝罪せず正当化する前例に続くものだ。国際社会は、核兵器廃絶に向けた対話を急ぐ必要がある。

日本が仮に核武装を言い出した場合、世界はどのような反応を示すだろうか。核兵器の惨禍を映す原爆ドームが静かにたたずむ広島から、改めて核廃絶への道筋を考える時が来ている。

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