米国が核実験再開で地下実験を選択肢に 高官が中ロとの同等性を強調
米国のディナノ国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は24日、上院外交委員会の公聴会において、トランプ大統領が指示した核実験の再開に関して、地下核実験が重要な選択肢として検討されていることを明らかにしました。この発言は、国際的な核軍備管理の枠組みが大きく揺らぐ中、米国の核戦略が新たな段階に入りつつあることを示唆しています。
中ロの地下核実験を念頭に「同等水準」を目指す
ディナノ氏は公聴会で、中国やロシアが一定の出力を伴う地下核実験を実施していると改めて主張し、トランプ大統領がこれらの国々と「同等の水準」での核実験実施を指示していると述べました。この発言は、米国が核兵器の近代化と技術的優位性を維持するため、地下実験に焦点を当てる可能性が高いことを示しています。
さらに、ディナノ氏は核実験の具体的な形式については現在精査中であると説明し、大気圏内核実験については「検討したことはない」と明確に否定しました。これにより、環境への影響が懸念される大気圏内実験ではなく、地下での限定された実験が優先される方針が浮き彫りになりました。
核軍縮合意失効を背景に新たな枠組みを模索
この動きは、米ロ間で唯一残っていた核軍縮合意である新戦略兵器削減条約が今年2月に失効したことを受けたものです。トランプ政権は、新たな軍縮枠組みに中国を関与させるべきだと強く主張しており、今回の核実験再開の検討も、中国を含む多国間での核管理交渉を優位に進めるための戦略的一環と見られています。
国際社会では、核実験の再開が核拡散のリスクを高め、地域の緊張を悪化させる可能性が指摘されています。特に、地下核実験は検証が難しく、透明性の確保が課題となるため、今後の米国の動向には各国から厳しい目が向けられることでしょう。
ディナノ氏の発言は、米国が核兵器の実戦配備能力を維持・強化する一方で、中ロとの軍事的バランスを意識した慎重なアプローチを取っていることを示しています。今後の展開次第では、世界的な核軍備競争が再燃する恐れもあり、国際的な安全保障環境に大きな影響を与える可能性が高いです。



