外国出身の住民が増加する中、防災活動に彼らを積極的に取り込もうという動きが全国各地で広がっている。大雨や地震など日本で頻発する災害への理解を深めてもらうだけでなく、防災活動の一翼を担う存在としても注目されている。
「サガソット」の結成
今月19日、佐賀市内で報告会が開かれた。内容は、石川県七尾市でのボランティア活動など、4月に能登半島地震の被災地を訪問したことについて。発表者は、県内在住の外国人らでつくる災害支援ボランティアチーム「SAGA Safety One Team(サガ・セーフティー・ワン・チーム)」、略して「SAGASOT(サガソット)」のメンバーたちだ。
佐賀県内の在留外国人数は、今年1月1日時点で1万2631人と4年間で倍増した。そうした中、外国人も日本人も力を合わせて防災に取り組もうと、1月に日本を含む11カ国の19人が参加してサガソットが結成された。背景には、過去の災害の教訓がある。
過去の災害からの教訓
2019年の佐賀豪雨では、多くの外国人住民が避難情報を理解できず、適切な行動を取れなかった。また、2024年の能登半島地震でも、言語の壁や文化の違いから支援が行き届かないケースが報告された。これらの経験を踏まえ、外国人自身が防災の担い手となる必要性が認識された。
サガソットは、平時から防災訓練や多言語での情報発信を行い、災害時には通訳や避難所運営のサポートを担う。メンバーはそれぞれの母国語を活かし、日本人だけではカバーできない部分を補う。
能登半島地震での活動
4月、サガソットのメンバー6人が能登半島地震の被災地・七尾市を訪れた。現地では、外国人住民への情報伝達や避難所での通訳、物資の配布などを支援。被災した外国人からは「日本語がわからず不安だったが、母国語で話せて安心した」との声が聞かれた。
報告会で発表した北村莎莎さんは「国籍を超えて『ワンチーム』で活動することの大切さを実感した」と語る。今後は県内での防災訓練に加え、他地域との連携も視野に入れている。
全国的な広がり
こうした取り組みは佐賀県だけではない。兵庫県では、外国語に対応した防災マップの作成や、外国人を対象とした防災リーダー育成講座が行われている。また、神奈川県では外国人消防団員が111人と全国最多で、災害時には通訳としても活躍している。
専門家は「外国人住民を『支援される側』だけでなく『担い手』として位置づける発想が、今後の地域防災に不可欠」と指摘する。多様性を活かした防災体制の構築が、より強靱な社会につながると期待されている。



