ミャンマー、クーデター主導の国軍トップが大統領に選出 統治継続が確定
ミャンマー議会は4月3日、2021年のクーデターで全権を掌握したミン・アウン・フライン前国軍最高司令官(69歳)を新大統領に選出した。新政権は近く発足する見通しで、大統領の任期は5年となる。これにより、国軍による統治継続が正式に確定した。
議会選出の仕組みと投票結果
ミャンマーの大統領選出は、上院、下院、国軍指名の軍人枠からそれぞれ選ばれた候補者のうち、最多得票者が大統領に選ばれる仕組みだ。下院から選出されたミン・アウン・フライン氏は、上下両院の出席議員584人のうち429票を獲得し、圧倒的支持で大統領に選出された。
国軍主導の議会構成と背景
現在の議会は、2025年12月以降に国軍主導で民主派主要政党を排除して行われた総選挙で選ばれた議員らで構成されており、8割以上が国軍系とされる。議会は3月16日に約5年ぶりに開会し、国軍系政党の党首が下院議長に就任していた。
さらに、3月30日にはミン・アウン・フライン氏の腹心で、民主派に強硬姿勢を取っていたとされるイェ・ウィン・ウー氏が後任の最高司令官に就任しており、国軍内の権力基盤が強化されていた。
クーデターの経緯と人権状況
ミン・アウン・フライン氏は、民主派指導者アウン・サン・スー・チー氏率いる政党が2020年の総選挙で大勝したことについて、不正があったと主張して2021年にクーデターを起こした。全権掌握後、民主派を弾圧し、ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、4月2日までに3万人以上が国軍に拘束され、約8000人が死亡したと報告されている。
今回の大統領選出は、国軍による統治が今後も継続されることを明確に示すもので、国際社会からの懸念や批判が高まることが予想される。ミャンマーの政治情勢は、民主化への道筋が遠のき、軍政色が強まる局面を迎えている。



