トランプ大統領、イランへの「圧倒的勝利」を主張も戦闘終結の道筋示さず
【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は1日夜(日本時間2日午前)、国民向けに演説を行い、対イラン軍事作戦について「今後2~3週間のうちにイランを石器時代へと逆戻りさせるつもりだ」と述べ、攻撃の激化を予告しました。トランプ氏は、軍事作戦で「圧倒的な勝利」を収めたと主張し、「核心的な戦略目標が間もなく達成される」と訴えましたが、戦闘終結の具体的な道筋や時期については明示しませんでした。一方、イラン側は徹底抗戦の構えを崩しておらず、中東情勢が緊迫した状態が続いています。
軍事作戦の目標とイランへの警告
トランプ氏は今回の軍事作戦後、初めてホワイトハウスで国民向け演説を実施。「我々はイランを打ち負かした。彼らは軍事的、経済的に、あらゆる面で壊滅状態にある」と語り、自信を見せました。軍事作戦の目標として、以下の点を挙げました。
- イランの海軍や空軍の破壊
- ミサイル開発計画への打撃
- 軍事産業の壊滅
これらの行動がイランの核爆弾製造能力を奪うと指摘し、「仕事をやり遂げるつもりだ。短期間に終わらせる。あと少しだ」と説明しました。攻撃を強める考えを示す一方で、戦闘終結に向けてイランの新指導部との協議が続いていると述べ、「指導者たちが皆死亡し、結果として体制転換が起きた。新しいグループは過激さが薄れ、はるかに理性的だ」と指摘し、合意成立に期待を示しました。
合意がなければ「極めて激しい打撃」を警告
しかし、トランプ氏は合意が成立しなければ「極めて激しい打撃を与える」と警告。「彼らの発電所を一つ残らず、おそらく同時に、極めて強力に攻撃するつもりだ」と語り、石油施設も含めて標的にする考えを示しました。また、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡については、「海峡を経由して石油を得ている世界の国々がこの航路を管理しなければならない」と述べ、海峡の開放に向けて主導的役割を果たすよう求めました。
さらに、「燃料を入手できない国々」への提案として、米国からの原油購入を呼びかけたほか、「勇気を奮い立たせ、ホルムズ海峡に行き、自らのために使うべきだ」と促しました。「困難な部分は終わった。あとは容易なはずだ。紛争が終わる時、海峡は自然と開放されるだろう」と主張し、早期解決への楽観的な見方を示しました。
イラン側の反応と今後の展開
イラン政府は2日午後(現地時間)現在、トランプ氏の演説に対する公式な声明を出していません。演説後、軍中央司令部報道官は「我々の兵器生産拠点は米国やイスラエルが知らず、手の届かないところにある」として戦闘を継続する方針を表明し、徹底抗戦の姿勢を明確にしました。この発言は、イラン側が軍事作戦に屈しない意志を示すものであり、中東地域の緊張がさらに高まる可能性があります。
トランプ氏の演説は、国際社会に大きな波紋を広げており、今後の外交交渉や軍事行動の行方が注目されます。イランとの対立が長期化すれば、世界経済やエネルギー供給への影響も懸念される状況です。



