滋賀県は2026年6月1日、琵琶湖の環境保全を目的とした協力金制度「デジタル募金箱 びわぽち」を開始した。県外からのレジャー客が多く、県民が負担する県民税との不公平感が指摘される中、キャッシュレス決済で簡単に寄付できる仕組みを導入。しかし、善意に頼る制度の実効性は未知数だ。
制度の概要
「びわぽち」は、レジャー施設やカフェなど17か所にPayPayの二次元コードを設置。スマートフォンをかざすだけで1円から寄付できる。ヤマハマリーナ琵琶湖(大津市)の担当者は「琵琶湖の美しい環境を次世代につなぐ活動を応援してほしい」と語る。
背景と課題
琵琶湖は水上バイクや遊泳、釣りなどで年間約52万人が訪れる。県は2000年頃から「琵琶湖レジャー利用税」を検討したが、公平な徴収が困難として断念。一方、県民は2006年度から「琵琶湖森林づくり県民税」(年800円)を負担している。この不公平感を解消するため、初期投資が少ないキャッシュレス決済に着目した。
環境保全の費用
県は年間約2億円を水草の刈り取りに、約950万円を外来魚の回収に、約350万円を監視船の運航に費やす。規制水域を示すブイは約150基設置済みだが、倍以上が必要。協力金は年間数百万円を見込み、寄付金として処理する。
利用者の声
大阪府高槻市の男性会社員(56)は「自分は汚していないと払わない人もいる。不公平感がある」と懐疑的。滋賀県草津市の無職男性(82)は「高齢者は二次元コードの扱いに困るのでは」と指摘する。
他地域の事例
富士山では2025年度から入山料4000円を義務化し、収入は約9億9000万円。大山では22年から500円の協力金を募り、2025年は約500万円が集まった。環境省は3月、国立公園での利用者負担に関する指針を公表している。



