未成年のSNS依存訴訟で設計上の責任が焦点、米国で数千件の訴訟が進行
未成年のSNS依存が世界的な問題となる中、米国ではソーシャルメディア事業者を相手取る訴訟が数千件に上り、大きな注目を集めています。これらの訴訟では、第三者の投稿内容ではなく、SNSプラットフォーム自体の設計上の責任が主な争点となっています。特に、通知機能や次々に表示される投稿が脳内の快感物質を放出させ、依存性を高める仕組みが意図的に組み込まれていると原告側が主張しています。
ザッカーバーグCEOが法廷で反論、依存させる意図を否定
2026年2月18日、米ロサンゼルスの裁判所で、インスタグラムを運営するメタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が初出廷しました。原告側は、利用時間を増やすために設計された仕組みを意図的に導入したと主張しましたが、ザッカーバーグ氏はこれを強く否定しました。彼は証言で、「利用者を依存させるのではなく、役に立つものを提供するのがメタの目標だ」と述べ、プラットフォームの設計が依存を促進するものではないと訴えました。
さらに、ザッカーバーグ氏は、インスタグラムが13歳未満の利用を認めていないものの、年齢を偽る利用者が存在し、その検知が困難であるとの認識を示しました。原告側弁護士は、2015年に全米で13歳未満の子供400万人がインスタグラムを利用していたと推定するメタ社内の調査結果を指摘し、当時ザッカーバーグ氏が利用時間の12%増を数値目標として示した社内メールを提示しました。これに対し、ザッカーバーグ氏は「以前は目標を示したが、今はしていない」と釈明しました。
訴訟の背景と今後の影響、SNSビジネスモデルが転換の可能性
原告はカリフォルニア州の20歳の女性らで、未成年時からのインスタグラムなどの利用によりSNS依存に陥ったとして、損害賠償やSNSの設計変更を求めています。被告側は、精神的な問題の原因は女性の家庭環境にあると反論しており、米国では「通信品位法230条」により、利用者の投稿に対する運営会社の法的責任が原則として問われないことが背景にあります。
この訴訟は、先行して審理されるケースとして位置づけられており、今後の司法判断の指標となる可能性が高いです。原告側が勝訴すれば、SNS事業者はビジネスモデルの転換を迫られる恐れがあります。類似訴訟では、ユーチューブの親会社であるグーグルも被告となって争う姿勢を示していますが、TikTokやスナップチャットは既に原告側と和解しています。
この問題は、未成年の保護とSNSの設計責任を巡る国際的な議論を加速させており、今後の展開が注目されます。



