米最高裁、トランプ関税を違法と判決 返還額20兆円超の可能性
トランプ関税、最高裁が違法判決 返還額20兆円超も (20.02.2026)

トランプ関税の法的根拠否定 米最高裁が違法判決

トランプ米前大統領が各国に課した関税の適法性をめぐる訴訟で、米連邦最高裁は2月20日、トランプ氏が権限を越えて違法に関税を課したと認める判決を下した。看板政策の法的根拠が司法から否定されたことは、トランプ政権に大きな打撃となる。世界的な貿易混乱が広がる可能性も指摘されている。

巨額返還の可能性 対象は20兆円超

最高裁の違法判決により、トランプ政権は一部関税の撤回や、これまでに得た関税収入の返還などに追い込まれるかが焦点になりそうだ。ロイター通信は、1335億ドル(約20兆円)以上が還付対象になりうると報じた。この巨額の返還は、米国財政に大きな影響を与える可能性がある。

トランプ氏が約70カ国・地域にかけた「相互関税」などをめぐり、打撃を受ける複数の米中小企業やオレゴン州などが原告となって提訴。一審、二審でも違法判決が出ていた経緯がある。今回の最高裁判決は、これらの下級審判断を追認する形となった。

国際緊急経済権限法の解釈が争点

一連の訴訟で争点になったのは、トランプ政権が関税の発動根拠とした国際緊急経済権限法(IEEPA)の解釈である。同法は大統領が緊急事態を宣言すれば「輸入の規制」をできると定めている。トランプ氏側は、関税を課す権限もこの規定に含まれると主張していた。

しかし判決は、「IEEPAは大統領に関税をかける権限を付与していない」と明確に判示した。この判断は、保守派からも出ていた疑問の声を司法が正式に認めた形となる。大統領の経済政策における権限の範囲について、重要な先例を残す判決と言える。

世界経済への波及影響懸念

トランプ関税は、中国をはじめとする多くの国々との貿易摩擦を引き起こし、世界経済に不安定要素をもたらしてきた。今回の違法判決により、関税政策の見直しが迫られることから、国際的な貿易秩序に新たな混乱が生じる可能性がある。

特に、関税の撤回や返還が実際に実施される場合、米国と関税対象国との関係再調整が必要となる。各国の対応次第では、新たな貿易協議や経済調整が求められる局面が生まれるかもしれない。

この判決は、大統領権限の範囲を明確に限定する司法判断として、今後の米国政治にも影響を与えそうだ。行政と司法のバランスについて、重要な議論を喚起する結果となった。