日本のアウトドア文化を中国に広めるため、在北京日本大使館で29日、日系企業や自治体の出先機関が参加するイベントが開かれた。中国では新型コロナウイルス禍を経てキャンプを楽しむ若者が増えており、日本製品の品質の良さや自然の中で過ごすキャンプの魅力を発信することで、中国市場のさらなる開拓を狙う。
イベントの概要
イベントは「夏スポーツ・アウトドアイベント」と題し、大使館が主催。公募で集まった80人の参加者に、日本のアウトドア用品や漫画『山と食欲と私』の中国語版を通じて、登山の魅力やアウトドア活動に適した観光地を紹介した。また、新潟県産米を使ったおにぎり作り体験も行われた。
スノーピークの展示
アウトドア用品大手スノーピーク(新潟県三条市)の北京現地法人は、大使館の庭園に同社製のテントやタープを設置し、テーブル、椅子、調理器具も並べた。担当者は「中国の発展は速く、仕事のプレッシャーも大きい。スノーピークの体験を通じて人間性を回復することが私たちの使命だ」と語った。
岩谷産業の出展
卓上カセットコンロで知られる岩谷産業の現地子会社「岩谷気具(珠海)」(広東省)は、防風性を高めた卓上コンロを展示し、たこ焼きやギョーザを調理して参加者に振る舞った。同社は1994年に設立され、コンロとガスボンベを製造し主に飲食店向けに販売してきたが、外食消費の減速を受け、アウトドアや防災用として個人需要を見込む。広報担当者は「安価な中国企業製もあるが、安全性の高さが評価されている」と話す。
中国のキャンプ市場
中国のキャンプ関連市場は2021年に7.6兆円規模とされ、スノーピークなど日本企業の進出が続いている。今回のイベントは、日本製品の品質向上やアウトドア文化の浸透を通じて、さらなる市場拡大を図る狙いがある。
イベントでは他にも、日本の観光地やアウトドア用品の展示が行われ、参加者は熱心に説明を聞いていた。大使館関係者は「今後もこうした交流を通じて、日本と中国の相互理解を深めていきたい」と述べた。



