【ワシントン=栗山紘尚、カイロ=吉形祐司】米国のトランプ大統領は11日、ホワイトハウスで記者団に対し、イランとの協議が「決着に至った」と述べ、戦闘終結に向けた「覚書」の署名式が今週末にも欧州で開かれるとの見通しを示した。一方、イラン側は「最終的な結論には達していない」と反論した。
トランプ氏はこれまで何度も「合意間近」と発言してきた経緯があり、今回も予断を許さない状況だ。同氏は予告していた同日夜のイラン空爆の中止も明らかにした。イラン最高指導者のモジタバ・ハメネイ師が承認したのか記者団に問われると、「答えはイエスだと理解している」と述べた。覚書は最終調整の段階にあり、「数日中に完了する」と説明。署名式にはバンス副大統領が出席するとの見方を示した。
交渉の焦点となっていた核問題を巡っては「イランが核兵器を保有しないことに合意した」と強調。覚書が署名に至れば、米軍がイラン関連の船舶に実施している海上封鎖を直ちに解除するとした。トランプ氏はSNSへの投稿で、米イラン間の「合意」はイスラエルやサウジアラビア、カタールなど「全ての関係国」によって承認されたとも主張した。
これに対し、イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は11日、国営テレビのインタビューで、米国との合意案について「最終的な結論に達していない」と述べ、週末の署名についても「臆測だ」と否定した。一方でバガイ氏は「合意文の主要部分はほぼ完成している」とも述べ、「米国が新たな要求を持ち出し、立場を変えたことで問題が起きた」と主張。パキスタンやカタールなどの仲介国を通じた米国との間接的なやりとりは認めた。
カタール代表団は10~11日、イランを訪問した。中東の衛星テレビ局アル・アラビーヤは11日、代表団が提示した最終合意案をイランが受け入れたと報じた。
イスラエル首相府は11日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がトランプ氏と電話で会談し、最終合意にイランからの濃縮ウランの撤去やウラン濃縮施設の解体、ミサイル製造の制限、中東のイランの代理勢力への支援停止などが含まれることに謝意を示したと発表。いずれもイランが拒否している内容だ。バガイ氏は国営テレビで、「越えられない一線では妥協しない」と改めて強調した。



