俳優の中村玉緒(なかむら・たまお、本名・奥村玉緒=おくむら・たまお)さんが9日、肺炎のため死去した。86歳だった。京都府出身。上方歌舞伎の家系に生まれ、父は二代目中村鴈治郎、兄は坂田藤十郎という芸能一家で育った。
映画デビューから時代劇のヒロインへ
中学生の時に映画「景子と雪江」でデビュー。その後、「炎上」「大菩薩峠」などの時代劇に多数出演し、可憐な娘役から耐え忍ぶ妻、遊女役まで幅広い役柄をこなした。
勝新太郎との結婚と献身的な支え
1962年、映画「不知火検校」で共演した勝新太郎さんと結婚。型破りな言動で世間を騒がせた夫を、97年に亡くなるまで献身的に支え続けた。その姿は多くの人々の共感を呼んだ。
テレビドラマでの活躍
テレビドラマでは、TBS系「いのちの現場から」シリーズで主人公の伝説の看護師役を好演。命や医療の在り方を問うヒューマンドラマで、本人も「ライフワーク」と語っていた。また、テレビ朝日系「おばはん刑事!流石姫子」シリーズの刑事役も人気を博した。
バラエティーでも親しまれた庶民的な人柄
一方で、TBS系「さんまのスーパーからくりTV」などのバラエティー番組では、お笑いタレント顔負けの軽妙なトークとユニークな立ち振る舞いで視聴者の笑いを誘い、幅広い世代から愛された。
中村さんの死は、日本の芸能界に大きな喪失感をもたらしている。その温かい人柄と芸への真摯な姿勢は、長く語り継がれるだろう。



