フィリピン沿岸警備隊などは10日、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)で中国が設置した浮遊式の構造物が確認されたと発表し、中国に対して撤去を求めた。この構造物はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内に位置するが、中国は昨年、同礁の一部を「国家級の自然保護区」に指定するなど、実効支配を強めている。
構造物の詳細と発見経緯
発表によると、構造物は約30平方メートルの四角形の床面を持ち、四隅に金属製の支柱が備えられている。5月25日に初めて発見され、同30日には構造物上に立つ中国人6人が確認されたという。この存在は今月初旬、米国の調査団体が衛星画像を基に公表していた。
中国外務省の反応
中国外務省の報道官は9日の記者会見で、「中国は黄岩島及び周辺海域に対して疑いようのない主権を持っている。比側の主権侵害と宣伝活動の停止を求める」と述べ、フィリピンの主張を強く反発した。
スカボロー礁を巡っては、両国間で長年にわたり緊張が続いている。フィリピンは国際仲裁裁判所の2016年の判決を根拠に自国のEEZ内での権利を主張する一方、中国は判決を認めず、同海域での活動を拡大している。今回の構造物設置は、中国のさらなる進出を示すものとして注目されている。



