人材サービス大手のパソナグループは1日、耳周辺の軟骨の振動を利用して音を聞こえやすくする「軟骨伝導」技術の特許を保有する「CCHサウンド」(京都府精華町)を子会社化したと発表した。CCHサウンドは、聴覚に障害がある人でも音声を明瞭に聞き取ることができるイヤホンを開発・販売しており、パソナグループの持つ広範なネットワークを活用し、この技術の普及を一層加速させる方針だ。
軟骨伝導イヤホンの特長と現状
CCHサウンドが開発した軟骨伝導イヤホンは、耳の入り口に軽く当てるだけで使用でき、周囲の音も同時に感知できるという特長を持つ。従来の骨伝導技術と異なり、軟骨の振動を利用することで、より自然な音質と装着感を実現している。パソナグループは昨年開催された大阪・関西万博において、音声ガイド用にこのイヤホンを採用し、来場者から高い評価を得た。現在、全国で728の自治体や金融機関などで導入が進んでおり、実績を積み重ねている。
子会社化の背景と今後の展開
パソナグループは、CCHサウンドへの出資比率を従来の7%から51%に引き上げ、子会社化を完了した。これにより、経営資源の集中と開発力の強化を図る。今後は、警備業界や観光業、介護分野、医療現場など、より幅広い分野への販売拡大を目指す。また、イヤホンとマイクを一体化した無線通信機「インカム」の開発も進行中で、業務用コミュニケーションツールとしての需要も見込んでいる。
パソナグループの若本博隆会長は、大阪市内で開催した発表会で、「軟骨伝導技術には大きな潜在力がある。この技術の社会実装を加速させ、多くの人々の生活の質向上に貢献したい」と意気込みを語った。



