人材派遣大手5社に公取が立ち入り検査、カルテル結んだ疑い…賃上げに乗じマージン増加か
人材派遣大手5社に公取が立ち入り検査、カルテル疑い

公正取引委員会は2日午前、人材派遣会社大手5社が労働者の派遣先企業との価格交渉前にカルテルを結んだ疑いがあるとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査を開始した。近年の賃上げ傾向に乗じて各社が価格をそろえて引き上げ、自社の利益確保を図った可能性があるとみて、公取委が全容解明を進める。

立ち入り検査の対象企業

立ち入り検査を受けているのは、「パーソルテンプスタッフ」、「スタッフサービス」、「リクルートスタッフィング」、「マンパワーグループ」、「アデコ」(いずれも東京)の5社。これらの企業は業界を代表する大手であり、今回の調査結果は業界全体に影響を与える可能性がある。

派遣料金の仕組みと問題点

労働者の派遣事業では、派遣先企業が労働者の賃金や経費として必要な社会保険料などを含んだ「派遣料金」を派遣会社に支払う仕組みとなっている。主に年度ごとに改定される派遣料金のうち、労働者の賃金が約7割を占めるとされ、残りを派遣業界では「マージン」と呼ぶ。このマージンには派遣会社が負担する各種保険料や自社の利益分などが含まれている。

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関係者によると、5社の幹部らは数年前から、派遣料金を巡る派遣先企業との交渉が始まる前に話し合い、全国的に派遣料金を引き上げる合意をしていた疑いがある。このような行為は、価格競争を回避し、各社が不当に利益を確保するためのカルテルに当たる可能性が高い。

公取委の調査内容

公取委は、各社が利益を確保するために派遣料金の価格競争を避けてカルテルを結んだ上、賃上げ傾向に便乗してマージンの割合を増やし、自社の取り分を多くしていた可能性があるとみている。今後、提出を受ける資料の分析や関係者らへの聞き取りを行い、本格的な調査を進める方針だ。

この調査は、労働者派遣業界における公正な競争環境を維持するための重要な一歩と位置づけられる。公取委は、独占禁止法に基づき厳正に対処する構えだ。

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