宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、国の基幹ロケット「H3」や「イプシロン」の部品製造などを手掛けるIHIの子会社「IHIエアロスペース」に対し、5カ月間の競争参加資格停止を通知したと発表した。契約内容に反し、作業していないのに完了したとする報告や、それに基づく不正な費用請求が多数確認されたという。不正請求額は5千万~6千万円にのぼるとみられる。
不正の内容と規模
問題があったのは、ロケットや衛星の部品製造に必要な専用工具などの保全に関する契約。IHIエアロによると、JAXAと保全業務に関するやりとりの中で問題が発覚し、2016年度以降の関連契約を調査したところ、438件のうち14件で不適切な処理が判明した。問題は工具などの保全業務に加え、宇宙関連機器の部品調達業務の一部でも見つかった。
今後の影響と対応
IHIエアロスペースは、この処分によりJAXAが発注する新規の競争入札に参加できなくなる。同社は「深くお詫び申し上げます。再発防止策を徹底し、信頼回復に努めます」とコメントしている。JAXAは、すでに契約済みの業務については継続する方針だが、今後の調達先見直しを検討する可能性がある。
この問題は、日本の宇宙開発の中核を担うロケット製造工程における品質管理体制の甘さを露呈した形だ。H3ロケットは2024年の初打ち上げ成功後、実用化が進んでいるが、今回の不正で信頼性に疑問が生じる可能性もある。JAXAは「厳正に対処する」としている。



