中東情勢の混乱がアルミニウム関連製品にも影響を及ぼしている。建築資材から自動車、食品包装まで幅広い用途で使われるアルミだが、日本は地金の全量を輸入に依存しており、その約3割を中東産が占めている。国内企業は中東以外からの代替調達を急いでいるが、市況の高騰を受けて製品への価格転嫁は避けられない情勢だ。
アルミ価格高騰の背景
アルミは精錬過程で大量の電力を消費するため、電気代が安い中東が一大産地となっている。イランの攻撃を受けてアラブ首長国連邦(UAE)の工場が操業を停止するなどサプライチェーンが混乱し、2026年3月の国内地金平均価格は1キログラム当たり635円と、前年同月比で29%上昇した。4月には700円を超える日も見られた。
企業への影響
アルミ産業が盛んな富山県高岡市の建材メーカー、三協立山の担当者は「アルミ地金の高騰に加え、塗料や樹脂など多くの分野で仕入れ価格が上昇している」と苦しい事情を明かす。同社は社内に対策本部を立ち上げ、製品値上げの検討を進めている。また、アルミ製のトラック荷台を手がける日本フルハーフは4月下旬、約15%の値上げに踏み切った。
今後の見通し
中東情勢の安定化の見通しが立たない中、アルミ価格の高騰は続く可能性が高い。国内企業は代替調達先の開拓や在庫の確保に努めているが、コスト増加分を価格に転嫁せざるを得ない状況だ。特に建築資材や自動車部品など、アルミを多用する業界では、最終製品の価格上昇が避けられないとみられる。



