1992年12月、鈴木幸一氏は「インターネットイニシアティブ企画」という会社を設立した。翌93年には社名を「インターネットイニシアティブ(IIJ)」に変更。社名には、自社が主導権を握り、インターネットで社会変革をもたらすという強い決意が込められていた。
資金集めの現実
資本金の見積もりは大きく外れた。当初は電力会社からの10億円とその他企業からの拠出で、20億円以上を集める計画だった。しかし実際には、懐の寂しいエンジニアたちが持ち寄った約1800万円でのスタートとなった。妻帯者の多くは先行きの不安から入社を見送り、社員第1号は米国のネット接続企業で研修経験があった浅羽登志也氏で、鈴木氏を除いて唯一の妻帯者だった。
永田町のオフィス
オフィスは東京・永田町に構えた。知り合いの伝手で、1年半後に解体される雑居ビルの1階、ショールームとして使われていた一角を格安で借りた。ブラインドもないフロアにパソコンを並べ、西日は黒いこうもり傘で遮った。内部が丸見えだったため、通行人からギョッとした目で見られることもあった。
資金集めに奔走
当てにしていた企業からの出資話はビジネス的に詰められたものではなく、資金集めはゼロからの出発となった。そのため、鈴木氏は企業へのお願いに日々を費やした。ネット市場の成長予測と事業計画を綿密に練り、将来性を熱心に説いた。



