日本商工会議所は8日、2026年4月の中小企業における正社員の賃上げ率が4.29%となり、前年と比較して0.26ポイント上昇したとの調査結果を公表した。中小企業の間でも賃上げの動きが定着しつつあるが、業績改善を伴わない人手確保などのための「防衛的な賃上げ」が全体の6割に達し、企業側の負担感が依然として強い実態が浮き彫りになった。
賃上げ率の詳細
調査では、2025年4月と2026年4月の賃金を比較。月給の賃金改定額は平均でプラス1万2036円となった。一方、従業員20人以下の小規模企業では、賃上げ率が前年から0.02ポイント減少し3.52%にとどまり、賃金改定額はプラス9573円と大企業に比べて低い水準となった。
防衛的賃上げの実態
業績の改善が見られないにもかかわらず賃上げを実施または予定する「防衛的な賃上げ」の割合は、前年から0.8ポイント増加して60.9%に上った。その理由としては、「物価上昇への対応」が68.2%、「人材の確保・採用」が66.7%を占め、外部要因による賃上げの必要性が顕著に表れている。
自由回答では、中東情勢の悪化による原材料価格の高騰を背景に、「いつまで賃上げを続けられるか不透明」との声が東北地方の建設業から寄せられるなど、先行きに対する懸念も示された。
今後の展望
日本商工会議所は、中小企業の賃上げが定着しつつある一方で、持続可能な賃上げには業績改善が不可欠だと指摘。政府に対しては、原材料価格高騰への対策や、中小企業の生産性向上支援を求める声が強まっている。



