山口県の公示地価、住宅地と商業地の上昇幅が縮小傾向に
国土交通省が17日に発表した2026年1月1日時点の公示地価によると、山口県内の住宅地は5年連続、商業地は3年連続で地価が上昇した。しかし、上昇幅で見ると、住宅地も商業地も前年より縮小しており、専門家は「資金が不動産に流れやすい経済状況は継続しているが、物価高が家計や不動産市場に与える影響もみられ、今後の動向を注視する必要がある」と指摘している。
住宅地の動向:平均変動率は0.7%上昇も上昇幅は縮小
住宅地では、前年から調査している181地点のうち、上昇は115地点(前年比2地点増)、横ばいが21地点、下落が45地点だった。平均変動率は前年と同じ0.7%の上昇だったが、上昇幅は前年を0.2ポイント下回る形となった。
調査地点のない上関町と阿武町を除く17市町が対象で、平均変動率は11市町で上昇した。和木町の1.9%が最も高く、山口市1.4%、下松市1.1%と続いた。一方、周防大島町や平生町など5市町では下落した。
県全体の1平方メートルあたりの平均価格は3万6000円で、前年を300円上回った。最高地点は3年連続で岩国市役所近くの「岩国市今津町4―14―30」で、前年から2000円増の9万4900円だった。上昇率では、3年連続トップの「岩国市南岩国町3―23―56」が3.5%で最も高かった。
商業地の動向:平均変動率0.8%上昇も上昇幅は前年より縮小
商業地の平均変動率は0.8%の上昇で、上昇幅は0.1ポイントだった。ただし、前年の上昇幅(0.4ポイント)よりも小さくなった。継続95地点のうち、上昇が68地点、横ばいが12地点、下落が15地点だった。
平均変動率は17市町のうち10市町で上昇し、上昇率のトップは周南市の1.7%で、防府市と和木町がそれぞれ1.4%と続いた。下落は周防大島町や萩市など5市町だった。
県全体の平均価格は前年比700円増の6万4100円。最高価格は19年連続でJR下関駅前の一等地にある「下関市竹崎町4―2―33」で、19万円だった。上昇率は4年連続で「周南市御幸通2―15」がトップの4.8%。JR徳山駅周辺の再開発事業などにより、集客性や収益性の向上への期待が反映されたという。
物価高の影響と今後の見通し
調査に携わった不動産鑑定士の藤井正隆・県代表幹事は、「景気は緩やかな回復基調が続き、低金利環境や雇用者所得・企業業績の改善を背景に、資金が不動産に流れやすい経済状況が継続している」と分析。住宅地については、「物価高が家計などに影響を及ぼし、需要は前年並みにとどまった」と指摘している。
今後の動向については、「地価上昇のトレンドは当面続く」と予測する一方で、物価高の影響がさらに拡大することが予想されるため、「物価高が需要者の購入意欲や行動にどのような影響を及ぼすか注目したい」と語った。この見解は、不動産市場が物価高という新たな要因に直面していることを示唆しており、今後の地価動向に不確実性をもたらしている。



