自動車販売の神戸マツダ(神戸市兵庫区)が4月、整備士養成のための「マツダ自動車整備専門学校 神戸(マステック神戸)」を開校した。マツダと提携する整備士学校は全国初の試みで、他の自動車メーカーが系列校を運営する中、マツダのディーラーが自ら学校運営に乗り出し、人材確保を目指す。
実習で技術を磨く学生たち
5月中旬、神戸マツダ本社に隣接する新校舎の実習室では、作業着姿の学生たちがトランスミッションなどの部品を取り外す課題に取り組んでいた。大阪府内の工業系高校から入学した18歳の男性は「マツダのエンジンが好きで、1期生として学べるのも魅力。車の特徴を見極めて整備できる応用力を身につけたい」と語る。
運営体制とカリキュラム
専門学校は神戸マツダが設立した学校法人が運営する。1期生はマツダ販売会社の社員を含む10~30歳代の21人。年間授業料は120万円で、2年のカリキュラム修了後、2級自動車整備士の資格取得を目指す。校長には、マツダのスポーツカー「ロードスター」の元開発責任者でロータリーエンジンの研究開発に携わった山本修弘氏が就任。教員は神戸マツダの整備士が務める。神戸マツダによると、ディーラーによる整備士学校運営は珍しく、校舎建設など開校費用に約12億円を投じた。
深刻化する整備士不足
背景には業界全体の人材不足がある。日本自動車整備振興会連合会によると、自動車整備技能登録試験の申請者数は2025年度に3万9697人と、20年前から4割減少。自動車整備士の2024年度の有効求人倍率は5.45倍で、全職種平均(1.22倍)を大きく上回る。国内の新車販売台数は減少傾向にあるが、保有台数は微増が続く。神戸マツダの橋本覚社長は「今後、整備の需要は高まっていく」と話し、自前での育成強化を図る。



