NY原油先物が反発、終値87ドル台に 供給懸念で一時89ドル近くまで上昇
2026年3月12日 - ニューヨーク・マーカンタイル取引所における原油先物相場は11日、反発に転じた。指標となる米国産標準油種(WTI)の4月渡し終値は、前日比3.80ドル高の1バレル=87.25ドルで取引を終えた。この動きは、イラン情勢を巡る供給途絶や混乱の長期化に対する市場の警戒感が強まったことを反映している。
供給懸念で一時89ドル近くまで上昇
取引時間中、相場は一時89ドル近くまで上昇する場面も見られた。これは、中東地域における地政学的リスクの高まりが、原油供給への不安を煽ったためだ。市場参加者の間では、イランを巡る交戦状況が、石油の生産や輸送に影響を及ぼす可能性への懸念が広がっている。
IEAの協調備蓄放出の影響は限定的
一方、国際エネルギー機関(IEA)の加盟国である日米欧などが、過去最大規模となる石油備蓄の協調放出を決定したことにより、相場が一時下落に転じる場面もあった。しかし、この措置が供給不足を完全に埋められないとの見方が市場で優勢となり、相場への影響は限定的に留まった。
専門家の分析によれば、IEAの備蓄放出は短期的な価格抑制には寄与するものの、中長期的な供給不安を解消するには不十分だと指摘されている。市場では、以下のような要因が原油価格の上昇圧力として働いている。
- イラン情勢に伴う供給リスクの高まり
- 世界的な経済活動の回復に伴う需要増加
- 産油国における生産調整の継続
今回の動きは、原油市場が地政学的要因に敏感に反応していることを改めて示した。今後の相場動向については、イラン情勢の進展やIEAの追加措置、さらには主要産油国の生産動向が注目される。
関連する市場では、為替相場において日本時間12日8時時点で円が159円近辺で推移するなど、原油価格上昇に伴うリスク回避の動きも見られている。また、NY株式市場では11日、原油相場の上昇を背景にリスク回避が進み、続落する場面があった。



