NY原油価格が高止まり、ホルムズ海峡封鎖で供給懸念強まる
ニューヨーク原油先物市場で、代表的な指標となるテキサス産軽質油(WTI)の4月渡し価格が高止まりしている。11日の終値は前日比4.6%高の1バレル=87.25ドルとなり、日本時間12日の取引では一時94ドル台をつけた。これは米国とイスラエルによるイラン攻撃前より3割以上高い水準だ。
IEAの協調放出も効果限定的
国際エネルギー機関(IEA)の加盟32か国は11日、過去最大規模となる計4億バレルの石油備蓄協調放出で合意した。これはホルムズ海峡を通過する原油量の約20日分に相当し、米国が4割に当たる1億7200万バレルを来週から約120日間かけて放出する予定だ。
トランプ米大統領はケンタッキー州での演説で「原油価格を大幅に引き下げるだろう」と歓迎し、「戦争が終われば誰もが思う以上に大きく下がる」と主張した。
ホルムズ海峡封鎖の長期化懸念
しかし、ホルムズ海峡の事実上の封鎖は続いており、供給懸念が強く市場を圧迫している。IEA合意直後にはWTI価格が一時1バレル=82ドル前後に下落したものの、供給不安からすぐに反発した。
イランは徹底抗戦の構えを見せており、ホルムズ海峡封鎖が長期化するとの見方が強まっている。この状況が続けば、原油価格の高止まりがさらに続く可能性が高い。
株式市場への波及も
原油価格高騰による物価高や景気減速への懸念から、11日のニューヨーク株式市場ではダウ平均株価(30種)の終値が前日比289.24ドル安の4万7417.27ドルとなり、2営業日連続で値下がりした。
市場関係者は「IEAの協調放出は一時的な価格抑制にはなるが、根本的な供給不安の解消には至っていない」と指摘。ホルムズ海峡をめぐる地政学的リスクが原油市場に与える影響は引き続き注視が必要だ。



