イラン情勢緊迫でLNG価格高騰 電力安定供給の危機に政府は早急な対策を
LNG価格高騰で電力供給危機 政府の早急対策が急務 (17.03.2026)

イラン情勢緊迫化でLNG価格が急騰 日本の電力安定供給に影

イラン情勢の緊迫化に伴い、原油に加えて液化天然ガス(LNG)の価格が高騰している。日本においては、国民生活を支える電力の安定供給が揺らがないよう、政府は迅速な対策を講じる必要がある。

ホルムズ海峡封鎖でエネルギー供給が危機的状況に

イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことにより、原油とLNGの安定供給が危機に瀕している。日本にとって原油とLNGでは、必要な対応策が大きく異なる点に留意しなければならない。

原油はホルムズ海峡を経由する割合が9割を超えており、中東への依存度が極めて高い。ガソリンやプラスチック製品など幅広い用途に利用されているが、国内の発電に占める石油火力の割合は1割に満たない。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

政府は3月16日、254日分ある石油の備蓄のうち民間分の放出を開始し、迅速な対応を見せた。今後も後手に回らない対策を進めることが重要だ。

LNGは電力供給の要 備蓄の難しさが課題

一方、LNGは日本の電力供給において重要な役割を果たしている。約6割が火力発電用、約4割が都市ガス用として使用されている。マイナス162度まで冷却して液体化する特性上、備蓄が困難であり、民間の在庫は約3週間分に留まっている。

日本はエネルギー安全保障を強化する観点から、LNGの調達先の分散を進めてきた。約4割を豪州に依存し、中東で最も供給量の多いカタールでも5%強にとどまっている。

日本の電力・ガス会社は、数十年単位の長期契約を中心にLNGを調達しており、これにより短期的な価格変動の影響をある程度抑えることが可能だった。

カタール施設被災で供給悪化 価格が2倍超に

しかし、日本が価格高騰の悪影響から完全に免れるのは難しい状況だ。世界のLNG供給の2割を担うカタールの施設がイランの攻撃で被災し、生産を停止した。

供給悪化への懸念から、アジアにおけるLNGのスポット取引価格は、衝突前と比べて一時的に2倍を超える水準にまで上昇した。

ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、LNGも欧州やアジア諸国との争奪戦となり、日本の電気料金の上昇は避けられなくなるだろう。

政府に求められる多角的なエネルギー対策

電力を安定した価格で利用できることは国民生活の基盤である。暮らしを脅かす事態を招いてはならない。政府は、豪州や米国などのLNG生産国に対し、積極的に増産を働きかける必要がある。

LNGは電力会社やガス会社ごとに調達先が異なる。事業者間での燃料在庫の情報共有や、相互融通にも万全を期すべきだ。

夏場に向けて電力需要は増加していく。老朽化などで休止している石炭火力発電所で、再稼働可能なものがないか早急に検討すべきである。同時に、火力発電所の事故防止も徹底する必要がある。原子力発電所の再稼働を着実に進めることも、エネルギー安全保障の観点から重要だ。

エネルギー政策は国民生活と経済活動に直結する問題である。政府は短期的な対応と長期的な戦略を組み合わせ、安定供給の確保に全力を挙げなければならない。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ