高市早苗首相は11日、フランス・エビアンで15日に開幕する主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、エネルギーの安全保障に関する三つの提案を行う考えを明らかにした。ホルムズ海峡の事実上の封鎖により混乱が続く原油市場の安定を目指し、国際社会の協力体制を構築したい意向だ。
三つの提案の内容
首相は官邸で開かれた中東情勢に関する関係閣僚会議で、以下の三つの提案を表明した。
- 自由で透明な貿易の確保
- アジアなどでの石油備蓄強化の支援と国際エネルギー機関(IEA)との連携の必要性
- 産油国と消費国との連携強化の必要性
首相は「中東情勢の最も大きな影響を受けているアジアの代表として、原油市場の安定に向けてG7が主導すべき取り組みとして提案したい」と述べた。
石油備蓄と調達の現状
石油備蓄に関して、日本はすでに東南アジアで原油や石油関連製品の確保について協力する「パワー・アジア」の取り組みを打ち出している。外務省幹部は「G7でも、改めて浸透するように言っていきたい」と話す。
また首相は、国内の原油について調達先の多角化が進んだ結果、7月は前年の輸入実績の10割を確保できる見込みがついたことを明らかにした。8月以降も前年の平均比で75%の代替調達が進めば、原油の供給は2028年3月末まで可能になるとの見通しを示した。中東情勢が緊迫する前、日本は輸入の約9割を中東に依存していた。
今後の課題
一方で、石油元売り会社では原油の調達価格の値上がりが続いている。今後、物やサービスへの価格転嫁が進み、国民生活への影響が広がる可能性もある。政府は引き続き原油市場の安定化に向けた取り組みを進める方針だ。



