高浜原発3号機、蒸気発生器を交換へ 長期運転に向け数百億円投資
高浜原発3号機、蒸気発生器交換へ 長期運転に備える

高浜原発3号機で蒸気発生器を交換、長期運転へ向けた大規模投資

関西電力は、高浜原子力発電所3号機において、大型設備である「蒸気発生器」の交換作業を開始する。これは、最長60年におよぶ長期運転を見据えた措置であり、最新設備への更新を通じて管理の効率化を図り、安全性と信頼性の向上を目指すものだ。

過酷な環境下での設備交換の必要性

蒸気発生器は、関西電力が運転する加圧水型軽水炉に特有の設備で、数千本の薄肉伝熱管を内蔵している。原子炉で加熱された高温高圧の水がこれらの管を流れるため、過酷な環境下で伝熱管がすり減ったり腐食したりしやすいという課題がある。

過去には、1991年に美浜2号機で伝熱管が破断し、原子炉が緊急停止する事故が発生するなど、蒸気発生器を巡るトラブルが繰り返されてきた。このため、関西電力は抜本的な対策として、これまでに計7基の原発で蒸気発生器を交換済みであり、今回の交換は1997年の大飯2号機以来、実に29年ぶりの事例となる。

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巨大な蒸気発生器の製作現場を公開

関西電力と三菱重工業は、3月27日に神戸市兵庫区の三菱重工神戸造船所で、高浜3号機用の新しい蒸気発生器を報道陣に公開した。この設備は全長約21メートル、胴の直径が最大約4・5メートルという巨大な円筒形状で、重さは約340トンにも及ぶ。内部には3386本の伝熱管が備えられており、耐久性に優れた合金材料を使用し、振動抑制用の金具を増設するなど、強度向上のための改良が施されている。

三菱重工の担当者は、「使用前の検査も完了し、出荷を待つ状況だ」と説明した。同造船所では、高浜4号機用の蒸気発生器も製作中であり、両機とも定期検査中にすべての蒸気発生器を新型に交換する計画だ。

長期運転延長と安全性向上の狙い

高浜3号機と4号機は、いずれも2025年に運転開始から40年を迎える。関西電力はすでに原子力規制委員会から20年間の運転延長認可を取得しており、「適切な保守管理を行えば、60年までの運転が可能である」と評価している。蒸気発生器の交換は、さらなる信頼性向上を目的とした重要な投資である。

岡本孝司・元東京大学教授(原子力工学)は、「蒸気発生器の交換により、トラブル発生のリスクを低減できる。これにより、より長期間にわたる安定かつ安全な運転が実現するだろう」と指摘している。

総事業費は、準備工事などを含めて数百億円にのぼると見込まれており、関西電力の長期運転戦略における大きな一歩となる。

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