行き場のない「核のごみ」最終処分場の実態 南鳥島が調査候補地に浮上
核のごみ最終処分場 南鳥島が調査候補地に

行き場のない「核のごみ」最終処分場の実態 南鳥島が調査候補地に浮上

原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場を日本国内のどこに建設するかという課題は、商業用原発が稼働してから約60年が経過しようとしている現在も、未解決のままである。この問題に対し、2026年4月6日、東京都小笠原村の南鳥島が新たな調査候補地として浮上したことが報じられた。国は原発の最大限活用を掲げながらも、核のごみを生み出す核燃料サイクルは未完成の状態が続いており、私たちの世代での解決が求められている。

核燃料サイクルの未完成と核のごみの現状

日本政府は、原発の使用済み核燃料を化学処理してウランとプルトニウムを取り出し、MOX燃料を作って再び原発で利用する「核燃料サイクル」をエネルギー政策の柱としている。しかし、このサイクルの核心となる再処理工場は1993年に着工されたものの、いまだ完成に至っていない。そのため、核のごみは、再処理過程で生じる高放射能レベルの廃液をガラスと混ぜて固化した「ガラス固化体」として処理されるが、肝心の再処理施設が機能していない現状では、根本的な解決には程遠い。

現在、国内で保管されているガラス固化体の多くは、イギリスやフランスで再処理された後に返還されたものであり、青森県六ケ所村の日本原燃や茨城県東海村の日本原子力研究開発機構の施設で合計2530本が保管されている。さらに、再処理が進まないまま使用済み核燃料が蓄積し続けており、仮にすべてを再処理した場合、約2万7000本相当のガラス固化体が存在すると推計されている。この膨大な量の放射性廃棄物は、適切な処分方法が確立されない限り、将来の世代に負の遺産として引き継がれるリスクを抱えている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

地層処分の計画とその課題

ガラス固化体は製造直後、200度を超える高温となり、毎時150万ミリシーベルトという人間が触れれば即死する強力な放射線を放出する。そのため、30年から50年間の一時保管を経て、最終処分場へ移送されることになる。この時点でも表面線量は毎時27万から16万ミリシーベルトと依然として高く、金属製の容器や粘土で遮蔽する必要がある。

2000年に成立した最終処分法に基づき、ガラス固化体は地下300メートルよりも深い場所に埋設して長期間隔離する「地層処分」が決定された。計画では、4万本以上のガラス固化体を収容可能な処分場を1カ所建設し、坑道を掘削して廃棄物を搬入し、埋め戻す作業を続ける。国はこのプロセスを「調査開始から100年がかりの事業」と説明しており、埋設後は数万年以上にわたって隔離状態を維持することで、遠い将来に放射性物質が漏れ出した場合でも影響を最小限に抑えるとしている。

しかし、処分方法が決まってから四半世紀が経過した現在でも、具体的な進展は限られている。国が責任を負い、原子力発電環境整備機構(NUMO)が事業主体となって廃棄物を発生させた私たちの世代で解決を目指すとしているが、調査の初期段階にある自治体はわずか3つに留まり、処分場の選定見通しは立っていない。南鳥島が新たな候補地として浮上したことは一歩前進とも言えるが、地元の理解や環境影響評価など、乗り越えるべき課題は山積みである。

この問題は、エネルギー政策と環境保護のバランスをどう取るかという根本的な問いを投げかけている。原発の活用を推進する一方で、核のごみの処分という重い課題を先送りにすることは、持続可能な社会の実現を阻害する恐れがある。私たちの世代が責任を持って解決策を見いだすことが、未来への責務と言えるだろう。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ