原油価格急騰で政府が先物市場介入を検討 特別会計法を根拠に前例ない動き
原油価格の急騰に対応するため、政府による原油先物市場への介入論が浮上している。関係者によると、財務省は特別会計法76条を根拠に、為替の安定のためならば「外国為替資金特別会計(外為特会)」の資金を原油先物市場への介入に使えるとして、調査を始めた。ただ過去に例はなく、仮に実施したとしても効果は限られるとみられる。
片山財務相が投機的動きを問題視
片山さつき財務相は24日の閣議後会見で、「原油先物市場における投機的な動きが為替市場にも影響していることは広く言われている」としたうえで、「為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえて、いかなる時もあらゆる方面であらゆる場面で万全の対応を取る」と述べた。片山氏が言及した「あらゆる方面」に、原油市場への介入が含まれるとみられる。
米国とイスラエルによるイラン攻撃後、原油輸送の要衝「ホルムズ海峡」が事実上封鎖され、原油先物価格が急騰した。それに伴うインフレ(物価高)への懸念や「有事のドル買い」から、外国為替市場で円安が進行。円相場は1ドル=160円付近まで下落している。
前例ない介入の実現性には疑問も
政府による原油先物市場への介入は、これまで前例がない取り組みである。特別会計法76条を根拠とする案は、為替安定を目的とする限りにおいて法的に可能とされるが、実際の運用面では多くの課題が残る。
- 市場規模の大きさから、介入効果が限定的になる可能性
- 国際的な市場ルールとの整合性を確保する必要
- 長期的なエネルギー政策との連携が不透明
片山財務相は円安の理由について「どう考えても投機的」と指摘し、市場の安定化に向けた強い意欲を示している。しかし、原油価格の高騰は地政学的リスクに起因する部分が大きく、政府の介入だけで解決できる問題ではないとの見方も根強い。
今後の展開としては、財務省による調査結果を踏まえ、具体的な介入手法や規模が検討される見通しだ。ただし、国際協調やエネルギー安全保障の観点から、単独での市場介入には慎重な意見も多い。



