政府が4年ぶりに石油備蓄を放出 民間15日分先行、供給不安緩和へ
政府が4年ぶり石油備蓄放出 民間15日分先行 (16.03.2026)

政府が4年ぶりに石油備蓄を放出 民間15日分を先行実施

政府は3月16日、石油備蓄の放出を決定し、官報で告示した。これはロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年以来、実に4年ぶりの措置となる。主な目的は、イラン情勢の緊迫化などで高まっている供給不安を和らげ、経済活動に不可欠な石油製品の流通を安定させることにある。

民間備蓄の15日分を先行 国保管分も3月下旬から

今回の放出では、まず民間備蓄の15日分を先行させる。具体的には、石油元売り企業や商社に対して石油備蓄法で義務付けられている70日分の備蓄を、55日分に引き下げる。これにより、在庫を取り崩して市場に供給できるようにする。さらに、3月下旬からは国が管理する国家備蓄の1カ月分も順次放出される予定だ。

この措置は、ガソリンや軽油などの石油製品の供給に支障が出るのを防ぎ、国内のエネルギー安全保障を強化することを目指している。政府関係者は「国際情勢の不確実性が増す中、先手を打った対応が必要だ」と説明している。

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国際エネルギー機関も協調放出を発表

国際エネルギー機関(IEA)も、加盟国による過去最大規模の石油備蓄の協調放出が近く始まると発表した。これは世界的な供給懸念に対処するための国際的な連携の一環であり、日本政府の決定と歩調を合わせる形となっている。

IEAの関係者は「エネルギー市場の安定化に向け、加盟国間で緊密に連携していく」と述べ、協調的な対応の重要性を強調した。

国内の石油備蓄の現状と市場動向

国内の石油備蓄は、2025年末時点で約4億7千万バレルに上り、これは254日分に相当する。内訳は、国が管理する国家備蓄が146日分、民間備蓄が101日分、産油国が日本国内で保有する産油国共同備蓄が7日分となっている。

一方、市場では供給不安を反映して原油価格が上昇している。3月15日のニューヨーク原油先物相場では、指標となる米国産標準油種(WTI)が一時1バレル=100ドルを超える水準に達した。このような価格高騰が、政府の備蓄放出決定の背景にあると見られている。

専門家は「今回の放出は短期的な価格抑制に寄与する可能性があるが、長期的なエネルギー政策の見直しも必要だ」と指摘している。政府は今後、再生可能エネルギーへの移行や省エネルギー対策の強化など、多角的なアプローチを検討していく方針を示している。

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