福井県坂井市、市制20年で岐路に 健全財政へ「選択と集中」迫られる
坂井市、市制20年で岐路 健全財政へ選択と集中 (10.04.2026)

市制20年を迎えた坂井市、財政健全化への道筋

福井県坂井市は、2006年3月に三国町、丸岡町、春江町、坂井町の旧4町が合併して誕生し、2026年3月に市制施行20周年の節目を迎えた。次の10年、20年を見据えた持続可能なまちづくりを実現するためには、健全な財政運営が不可欠な課題として浮上している。

合併特例債の期限終了で新たな局面へ

市は2025年6月、5カ年の中期的な財政計画(2025~2029年度)を策定した。合併した自治体が有利な条件で借り入れできる合併特例債の発行期限が2025年度までであることから、今後は安定的かつ最適な資金調達が求められる。人口減少に伴う税収減が見込まれる一方で、賃金上昇や物価高騰、金利上昇によって歳出が増加し、財政運営に大きな影響を与えると予測されている。

財政状況の現状と課題

現在の財政状況をみると、市債の返済額の割合を示す実質公債費比率が2021~2023年度の平均で8.1%となっており、起債時に総務大臣や知事の許可が必要となる18%以上の基準を下回っている。市議会の3月定例会では、市側が「数年後に財政運営に深刻な支障が生じる状況ではない」と強調した。

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しかし、中期財政計画では、市の貯金に相当する各種基金の残高が5年間で半減すると見込まれている。2024年度の153億4300万円(決算見込み額)が、2029年度には72億4700万円に減少すると予想されており、市全体の支出が膨らめば、基金の取り崩しは避けられない状況だ。

収入見通しと効率化の必要性

市は3月定例会で、「競艇事業収入や市税、交付税などが上振れ傾向にあり、基金残高は計画策定時よりも高く推移することが見込まれる」と説明した。三国ボートレース事業の収益収入は、計画期間中の各年度で25億円と設定されたが、競艇人気を背景に2025年度は35~40億円を見込んでいる。これにより、基金残高の減少ペースが想定よりも緩やかになる可能性はある。

財政健全化のためには、歳入の確保と歳出の抑制がより重要となる。計画では、公共施設の管理と利活用に関して、維持管理に必要な経費抑制のための保守管理や、指定管理の仕様・内容の見直しなどを挙げている。市財務部の高倉邦央部長は、「旧4町の融和を図るべく、行財政運営が進められてきたが、今後は次の段階である統合・再編、選択と集中を進めることで効率化を図る必要がある」と述べている。

将来を見据えた判断がカギ

何を削り、何を残すか。社会環境の変化が激しく、先行きが不透明な中で、将来を見据えた的確な判断が求められている。坂井市は、市制20年を機に、持続可能なまちづくりに向けた財政健全化への道筋を模索している。

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